金言-891:チョコ停

家電の売上が総売上の10%程度という三菱電機は、大型電気製品で大変儲かっているそうです。
中でも日本で1番という最先端の工場がeファクトリーとのことです。
この工場では設備の一部がちょこっと何かの不具合で停止する(チョコ停)とそれをすぐ修復するシステムになっていて、これでほとんど止まらない生産ラインが稼働しています。機械が仲間の機械の不具合を検知して修復するそうです。同じものを大量生産するのはロボットが得意ですが、少量多品種の生産はヒトの方が効率的だそうです。そこでは機械、今風に表現するとAIがヒトの作業をサポートし、作業手順や進捗を画面で教えてくれます。画面の表示通りに作業すれば熟練工と同じ作業がパートのおばちゃんにできてしまいます。これで熟練工の高額人件費と人手不足の悩みが減ります。

たくさんの機械をつないでいると、たった一つの機械がちょこっと停止すると、周辺の機械がみんな停止して回復するのに時間がかかります。それを集中的にモニターして即修復するというeファクトリーの仕組みは、ヒトがたくさん繋がっている組織でも有効です。
コンピュータシステムは何万行ものプログラムを作り込んでもシングルバイトの一文字のエラーで誤作動や機能停止となるそうです。同様にヒトが何万人も動いている組織もたった一人の誤動作で組織全体がおかしくなっていくのかもしれません。一人一人がちょこっと悪さをするとそれがウイルスのように拡散し、最後は経営者が謝罪会見で無礼な質問に対しても説明責任を果たさなければならないような場面に追い込まれます。

もちろん昨今のフランス人経営者のようにトップが悪さをして会社の戦闘能力が著しく低下するというのはありますが、この場合は従業員が被害者として情状酌量の対象になり、救済される可能性はリストラされるよりは高いのではないかと想像します。こんなものを比較しても何の足しにもなりませんが。

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