金言−340:中抜け

常識外れた公務員のズサン勤務。
中抜けや、虚偽の忌引き休暇をとっている公務員の不正行為が、民放テレビで報道
され、京都と大阪の公務員が槍玉に上がっていました。勤務中にパチンコやゴルフ
練習場通いを告発された公務員の何人かは懲戒免職になっているとのことです。

民間企業では、中抜けは勤務形態として存在します。公務員と違うのは、中抜けは
実働時間として計算されませんし、もちろん無給であることです。たとえば、旅館
では朝食サービスをし、夜の宴会サービスまで拘束時間が長い従業員は、チェック
アウトから夕方までのアイドルタイムを中抜けします。

経営者のカリスマ性が機能している同族会社では、経営幹部ならびに本社スタッフ
の勤務時間は経営者より長いかもしれません。社長が出席する会議が朝7時半開始
であるなら、幹部社員は7時には出社しているはずです。そして、社長が外出すれ
ば、社員は中抜けができます。社長が帰社するまではアイドルタイムです。そして
帰社後、社長が当日の執務を終えるまで、突然の社長指示に対応できるよう従業員
は緊張して業務に励みます。

このような同族会社と比べると、京都のお役人の中抜けは別世界の話に聞こえます
。民間では勤務中に中抜けすることはありません。朝7時から夜11時まで連日社
員を拘束したら労基法に抵触するかもしれないので、中抜けは長時間拘束の対策で
す。そして、架空の忌引きや仮病の休暇は従業員の知恵なのです。社長が休暇をと
らなければ社員は有給休暇をとることはできない環境下では、休暇をとるためには
翌日の業務に支障のない軽度の仮病(風邪、腰痛)や遠縁の不幸や家族の怪我や病
気という理由が必要でした。

懲戒処分された公務員は、有給休暇に上乗せして有給の中抜けや偽りの忌引きをと
っていましたが、精力的に行動するオーナーが支配する会社では、アイドルタイム
に社員が穏便に有給休暇をとる方法として使われていたようです。

勤務中に中抜けしても業務に支障がない役所なら、公務員が中抜けすることを禁止
するのではなく、無給ないし減給することで認めてあげれば人件費の節約にもなる
はずです。そうはいうものの、長時間のサービス提供と人件費削減の両立を要求さ
れることのない公務員には理解も試行もできないことかもしれません。

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