金言−711:報告・連絡・相談

金言711:報告・連絡・相談
かつて社員教育やビジコンの研修などの経験がある年配社員は、社内では「報告・連絡・相談が基本」と即答します。
実行しているかいないかは別として、「ホウレンソウ」は社内の意思疎通をはかるのに必須のビジネスマナーといわれていることを、多くの勤め人は知っています。上司に聞かれたら、そう答えれば正解になるからです。
実はこのビジネスマナー、上司が部下に一方的に求めるもので、情報共有とは別物です。部下に要求する内容と同じ程度の情報を、上司は部下に開示いたしません。上司は自身が保有する情報のなかから、部下に必要と思われる情報を選択して公開します。
たとえば、会社倒産を、従業員は上司からではなく外部のニュースで知ります。会社が破綻しそうになっているとき、上司は部下に現状を「報告・連絡・相談」いたしません。会社の存続にかかわる重要情報を事前に部下に知らせると、さらに状況が悪化するからです。
いずれにしろ、営利企業での人間関係は自由・対等・平等かもしれない各種の緩いサークルとは違います。
自由は与えられるものではなく勝ち取るものだと欧州の商人はフランス革命以来学んでいますし、必要な情報も供与されるものではなく自分で収集・選択するものなのであります。

関連記事

PAGE TOP