金言-247:持込み禁止

1)旅客機爆破テロ対策
英国運輸省が8月10日から適用した規制によると、機内に持込みが可能な手荷物は
大幅に制限され、財布・パスポート・眼鏡・必要最小限の医薬品などの限られるとの
ことです。同省筋の話では、この手荷物持込禁止を恒久的な措置とするそうです。

2)液体の機内持込み
酒などの飲料・香水などは液体とみなされ、手荷物で持込むことできなくなったため
、出国手続後に買物をしても、ほとんど持ち帰ることができなくなりました。
航空機テロが話題にならない、おおらかな時代(今から30年以上前)、友人が海外
で開催された模型飛行機の大会に出場したことがあります。当時、彼は、特別に調合
した燃料(模型エンジン用)をウイスキーのボトルに詰め替えて、手荷物の一部とし
て機内に持ち込み、無事目的地に到着、競技に参加しました。
今思えば、ガソリンよりも燃焼効率の高い手製の爆発物を機内に持ち込んだわけです
。爆発物を持ち込むことは、禁止されていましたが、航空機テロは未知の犯罪でした
ので、本人にとっては軽犯罪程度の感覚でした。

3)電子計算機の機内持込み
つい4~5日前までは、電子計算機を携帯し、帰国便の機内で成田到着までに出張レ
ポートを仕上げるビジネスマンはありふれた光景でした。防犯上、空港内の無線LA
Nも使えなくなり、携帯の通信も制限されるかもしれません。公衆電話やメッセージ
の取次ぎサービスの優位性が高まることでしょう。
ふりかえれば、ブッシュパパの「砂の嵐作戦」の時、目覚まし時計は24時間空港に
預けるという規制があり、結局飛行機に持込めないという、時間に拘束されるビジネ
スマンにとっては不都合なことがありました。当時、3KG以上の重いパソコンと携
帯型のプリンタを海外出張の際携行していました。まだ、インターネットが存在して
いない時代です。主な用途は、宿泊先の、現地のホテルの便箋に日本語のメッセージ
を印刷して、渡航先で合流する取引先に渡すことでした。これは、商談相手に大変受
けが良かったです。当時は海外で日本語の出力サービスは存在していなかったからで
す。そして、一番辛かったのは、帰国時に、ミュンヘン空港で、パソコンを調べられ
、動かすよう指示されたときでした。バッテリーは、電源オフでも自然放電し、10
時間以上たつとほとんど残量がありませんでした。やっと初期画面が出て、没収を免
れ、何か得をしたような気分を味わいました。

4)ラッゲージクレーム
毎月のように欧米主張をしていた頃、複数回、荷物が出てこないことがありました。
本人と本人の荷物が同一旅客機に載っていないことが原因です。乗り継ぎ時間が短い
と、本人は乗り継ぎができても、スーツケースは間に合わないことがあります。そう
すると荷物は、最悪の場合、紛失、運が良くても本人の所に着くのは2~3日後にな
ります。短期滞在で数箇所をまわる時は、荷物が間に合いません。乗り継ぎで1泊す
る空港で荷物が出てこないときは困ります。翌日は次の場所に移動しますので、本人
と荷物がウサギと亀の競争みたいな状態になります。このような場合、航空会社は、
必要な衣類、着替えなどを補償してくれました。旅先でスーツやワイシャツ、下着を
買って、航空会社に請求するのですが、買い物ができる余裕がある旅行者は救済され
ますが、きっちりと予定を組んだビジネスマンは、店が開いている平日の昼間に買い
物に出かける余裕はありません。

荷物が出てこない事故から身を守るため、商売道具の書類と2泊分の着替えや洗面用
具など生活必需品は、機内持込みの手荷物としました。これが、今回のテロ対策で不
可能になりました。

5)心配
最も気になるのは、財布やパスポートの次に大事な書類や電子機器は、機内持込みが
できないので紛失するおそれが高いことです。チェックインカウンターで預ける荷物
の中には、機内持込みできない書類・電子計算機・ハンドバッグ・貴金属など金目の
ものがたくさん入っています。少し、どんな状態で荷物が扱われているか、裏方の状
況を知っている人は、心配になるはずです。昔は、荷捌き場でスーツケースの鍵を壊
して中身を盗む犯罪が日常茶飯事でした。目的地の空港の到着ロビーで100%毎回
確実に受け取ることができるように犯罪防止対策が強化されたとは思えません。テロ
対策が優先しますが、一般消費者としては、預けた荷物が盗まれないように管理して
もらいたいものです。

当面、書類は、インターネットを利用して受け渡す方が安全なような気がします。必
要に応じて、先方で出力して署名し、有効とすることができます。

今回のテロ対策で、空港内では、免税店をはじめ土産物店・書店などの利用客は激減
、一方、飲食店・衣料品店・靴屋は繁盛ということになるかもしれません。

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