202106-309:三者三様

一人目:
早稲田工学部卒の高度情報技術者
二人目:
工業高校卒でEXCELの達人
三人目:
某大手電気メーカー工場長から中途入社の東大卒技術者(スタンフォードにも留学)

三人が勤めるソフトウェア会社が上場するにあたり、役員を何人か追加しました。
二人目と三人目がめでたく平取締役に就任しました。
一人目が登用されなかった理由は、パフーマンスに難があったため。論文やシステム開発は常に社内で一二を争う高品質なものでした。しかしながら、発表なり提案なりの段階で致命的な弱点がありました。人前であがってしまうのか、プレゼンが要領を得ず、難解で意味不明でした。門外漢には、ところどころに聴き慣れた日本語がでてくるので日本語で説明しているのがわかる程度です。

三人目にも弱点がありました。社内でただ一人の東大卒で、無意識に上から目線の態度がでてしまうようだと周囲に思われていました。それに取締役就任を約束された中途採用だったようで、これもノンキャリアの従業員には反感を買いました。

結局、二人目の工業高校卒が漁夫の利を得ました。学歴と能力が足りない分を太鼓持ちで補強しました。社長の前では、一オクターブ高い声ではきはきと、いわゆる「御意!」を連発し社長には心地よい部下でした。そして、ノンキャリアの部下を重用しました。自分より優れた部分がある部下は遠ざけ、いわゆるチルドレンを集め子飼いを育成しました。

二人目の弱点は、学歴と能力でした。次々に登場する自分より優秀な幹部候補生を潰してもきりがありません。役付きになる前に後輩役員にレッドカードを提示されて、退場となりました。一方、一人目はスペシャリストとして定年を迎え、三人目の東大卒はマネーゲームで大勝ちして東南アジアで難民の子供たちの教育支援で世のため人のために天寿を全うしようとしています。

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