見切るとは、見込みがないと見限ること。
情報システム開発を本業としているソフト会社でのことです。
この会社の経営幹部は、赤字プロジェクトを発生させたプロジェクトマネージャーに
復権のチャンスを与えません。(子飼いの部下には危ないプロジェクトを担当させな
いとも言い換えることができますが)リーグ戦はありませんし、敗者復活戦もありま
せん。赤字を出したら即「冷や飯」です。誤審の場合でも、大相撲行の行司差し違え
といった当事者救済の仕組みはありません。
1)評価
赤字プロジェクト(受注した仕事の結果が赤字になること)の責任者は、いつも同じ
やり方で赤字を出しています。挽回のチャンスを与えても、開発方法論がずれている
ので、何回やっても良い結果は出せないようです。したがって、こういう人を温存す
ると赤字を繰り返すリスクが高いので、経営サイドとしては、もう一度チャンスを与
えることなく主要なポストから外します。
2)選択肢
では、不適格の評価を受けた技術者に次はないのでしょうか。
この会社にいる限り、経営陣が入れ替わらない限り、直属の上司が代わる程度では、
一度失敗した技術者には明日はありません。慢性的にそこそこの技術者が不足してい
るので、一度赤字を出したとしてもそこそこの技術をもった中堅社員は、そこそこの
待遇で身分が保全されます。
赤字を出したのには理由があり、実務者レベルでは解決できない問題があったかもし
れません。誤った経営判断による巻き添え、または、やむをえない事情や不可抗力な
どで不適格の評価を受けた技術者にとっては、転職か起業の選択肢があります。自己
の開発方法論とか工程管理能力に瑕疵はないと考えている人は、職場を変えることに
よって気持ちよく仕事ができる環境を再び手に入れることができると思います。
3)信頼性
しかしながら、信頼性に問題がある人は、見切りの対象です。
嘘つきは、繰り返して嘘をつきます。嘘がばれそうになるのを恐れて嘘を重ねます。
タバコをやめられない人、深酒をやめられない人、時間厳守ができない人、この人た
ちは信頼性に難有りです。禁酒・禁煙・納期などを約束するからです。
できることなら、
何度もごまかされてがっかりするよりは、評価損が8%になったら例外なしで損切を
して、健全な精神状態を保ちたいものです。
◆あとがき
7月20日付け日経新聞朝刊トップに「富田メモ」のスクープ記事が掲載されました。
A級戦犯合祀に昭和天皇が強い不快感をお持ちになり、以後靖国神社参拝をされな
かったこと、そして天皇陛下が個人を特定して「親の心子知らず」と心をお示しにな
ったことが公表されました。
名指しされた人物が故人で、歴史的な出来事として扱われるので、プライバシー保護
の対象にはならないのかも知れませんが、その特定された個人のご遺族にとっては、
極めて不名誉なことになってしまいました。
東アジアの隣国の内政干渉に背中を押されて、今年の8月15日には参拝しようと思
っていたのですが、気が変わりました。