202511-139:アンタッチャブルズ

失われた30年とかが始まる前の頃
右肩上がりの経済成長と所得倍増が目の前にあった時代の話
ある同族企業ではカリスマオーナーの下で従業員はご恩と奉公は必ず報われるとだれもが信じて社業に励んでいました
社内には働き蟻が8割で残りの2割はオーナーの突然の指示に即時対応できるように常時スタンバイしていたようでした
2割の中にはオーナーによく似た風貌の働かないノンタイトルの従業員が各事業所にいました 職場長は彼らの勤怠について触れません 新参者は先輩や同僚から宴席で酒肴の一部としてアンタッチャブルたちの素性を知らされます
他には職場長が動向を気にする地味な従業員が各事業所の要所に配置されていました この人たちは江戸時代の御庭番とか隠密とか草といった特命従業員です 定期的にまた瞬時に社内の異変をオーナーに直接伝えます これも酒席での話題でした
そういう社内の真偽不明のお約束を周囲に漏らす特命スタッフもいたわけです
カリスマオーナーの勢いが衰えるとアンタッチャブルズも仕事がなくなり消えていきます
今風に言い換えれば ブラック企業の使い捨て従業員のつぶやきです

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