202304-384:小人閑居

団塊の世代の子供時代は、70年後の現在に比べると劣悪な衛生環境でした。
冬になれば霜柱や氷柱の下がった通学路を歩き、足はしもやけ、手はアカギレ、毎年風邪をひき、クーラーも扇風機もない夏は日焼けして昆虫の脱皮みたいに皮がむけていました。それが当たり前の暮らしでした。

給食で飲まされた脱脂粉乳は嫌いでした。でも普通の牛乳を飲んだ記憶がありません。学校から帰ると母親から5円もらって近所のコロッケ屋にいって出来立てのコロッケにソースをかけてもらって店頭で食べるのが楽しみでした。ルノーのタクシーが60円、京浜急行で金沢八景の平潟湾にハゼ釣りに行くのに電車賃が20円、ゴカイがおチョコ一杯10円という時代でした。家の隣はラーメン屋でしたが一度も食べたことがありませんでした。70年前と同じ場所で営業をつづけている蕎麦屋、五目焼きそばを出前でとるのが我が家の贅沢でした。貧乏だと思ったことはありません。今風に表現すればシンプルな生活をしていたようです。身の丈にあった暮らし、決して収入以上の支出はしない、博打はしない、祖父は米軍の空爆で焼かれた家を建て直し、父は改築した後建て替えました。子は老朽化した家を売却し借家住まいです。

競馬競輪競艇と競がつく博打はするなというのが家訓です。収入に見合った暮らしもDNAとして継承しています。直近の3年間で体得したのは、感染予防の習慣です。大型連休が始まっても人混みを嫌って遠出しようとは思いません。ピラミッドとベトコンの跡は見たかったのですが、リスク評価をしてやめました。目下アマゾンKindle Unlimitedで手あたり次第に電子書籍を読み漁っています。次に体験したいことがそのうち閃いてくるはずです。楽しみがまたひとつ増えました。

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