202203-120:逗子に転居の話

春彼岸を前に。
晩年の父、マダラボケ状態で祖父の時代から100年以上住んでいる横浜の蒔田の家を引き払って、逗子に引っ越ししたいといいだしました。逗子は相模原で営む家業が倒産して夜逃げのように転居した土地だといっていました。
それを聞いて、さっそく逗子の物件を見に行こうと提案しました。
明日にでも行こうと言って東京に戻りました。
翌日は用事ができて逗子行きを延期しましたが、逗子に引っ越そうといった晩、父は眠れなかったそうです。それを聞いて逗子行きはボツとしました。
住み慣れた場所、親族、友人も残っているでしょう、逗子には地縁も血縁もありませんので心細かったようです。一度も引っ越しをしたことのない父と違い、自分は仕事場と収入が変わるごとに最適な環境を選んで賃貸物件を転々としていますので、地縁も近所付き合いも希薄です。父には不要なストレスを与えてしまったと、彼岸になるとあの時はごめんとつぶやきます。

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