202111-694:見限った結果が出るには時間がかかる

先の衆院選で、任期中に選挙区の住民の期待に応えなかった候補者の多くが落選しました。この先生方は悪さが発覚した当時、辞任しないで職務を続行することが責任をとることだと主張して生き残りをねらいましたが、有権者に見限られていたことが得票数で明らかになりました。投票日の深夜までに生命維持装置の電源がOFFになったわけです。

東京2020で数々の不当な行為が発覚しましたが、悪さをした事務方はほとんど無傷であったような感じです。事務方はボスに指示されたことや先例や慣例に逸脱することなく今まで通りに悪さをしたので、不問ということかもしれません。

私企業は、商いに深刻な影響を与えた行為やブランドイメージを損ない今後の商いに差し支える不祥事は、迅速に処分します。ただし、違法行為でなければ経営者との距離感で軽微な処分になることがあります。
昔、同族企業の本社幹部が社判を使って私的な負債を会社のカネで返済したことがありました。この幹部の父親は創業者の番頭格の一人で、3人のジュニアが2代目の主要なポストについていました。そのジュニアの一人が横領し、決算は赤字となり横領額の分が赤字となりました。横領がなければ黒字を維持していたところでした。そのため、2代目は横領した本人とその一族郎党全てをリリースしました。オーナーのカネと刑事罰が絡んでいましたので、速やかで厳しい成敗となりました。

一方、目に見える形で、かつ、社会的影響の大きい不当な行為であっても、結果がすぐ出ない件が多々あります。
国民の過半数が反対したイベントの主催者集団は、強行催行してもクビになりません。30歳の若者が憲法違反や信義誠実を逸脱して多くの国民の期待に応えられなくても、気にしません。アゴを上げて肩を揺すって歩きます。多数決ならアウトの人たちが、見限られても安心・安全な暮らしができるのは、おそらく合理的な結果を嫌う有力者に守られているためと推察します。有力者が見限ったとき、結果がついてきます。有力者が見限るとき、それは有力者が支持者に見限られる不安を感じたときです。

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