金言−1031:頭の体操

企業が社員教育にコストをかけていた頃、ビフォアコロナ時代の話。
営業マン対象のビジコンの研修会がありました。
ロールプレイングで顧客と営業の役で設定された取引場面でのやりとりを研修するとか、座学とかいろいろです。
面白かったのは、2〜3人の小グループに分かれてのパズルゲーム。
各チームに封筒が2通配布され、なかには数片のバラバラな形とサイズの厚紙のパーツがはいっていました。これを全部使って2個の正方形を作るという作業でした。

だいたい、中味をひろげて2通の封筒のパーツを混ぜて正方形をつくろうとします。作業しているうちにどちらの封筒にあったパーツかわからなくなります。そして、苦労して正方形が2個完成します。すると、講師は正方形ができたパーツをそのままそれぞれの封筒にいれて返却するようにいいました。

少し仕掛けがわかりました。初めから2通の封筒のなかには、それぞれ正方形ができるパーツがそろっていたのです。受講生は2通の封筒のパーツを組み合わせて作ろうとするので、完成するのに時間がかかります。
思えばたくさんの教材が必要なので、こまかくパーツを入れ替えるのは手間です。
受講生は勝手に2通の封筒のパーツを組み合わせて2個の正方形を完成させる共同作業の課題と勘違いするわけです。
当時は、次の研修会ではこのカラクリを暴いてやろうと思ったのですが、次がやって来る前に起業してしまいました。

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