202101-1:元旦にあたり

あけましておめでとうございます。昨年中は忍耐強くお読みいただき心よりお礼申しあげます。今年もひきつづきよろしくお願いいたします。

正月を迎えると、何年かに一度は、思い出すことがあります。ホテルマンだった頃の話ですが、年末年始は泊り込みで、12月30日から正月2日まではお正月プランの催事でほぼ徹夜が続きました。2日の朝は目にクマができていました。

30日は31日からはじまるお正月プランの準備が朝までかかります。30日までイベントがあったりすると、会場の飾り付けは30日の深夜からのスタートになります。31日は早朝にスタンバイが終わります。そして午後は、続々とチェックインされるお客さまの誘導で休みません。客室は満室です。そしてこの年末年始期間だけホテルの全てのレストランが終日満席状態になります。紅白が終わると庭園にある鐘楼でお客さまによる除夜の鐘つきがはじまり、ラウンジではカウントダウンパーティが始まります。元旦はホテルの屋上を開放して初日の出を迎え、また、東京湾初日の出クルーズ、初詣バスツアなどが同時進行し、おせち料理や各種のお正月プランでホテル中がにぎやかになります。

2日は、ホテル滞在中のお客さまが退屈されないよう盛りだくさんの催事を終日おこないます。当時はラジコンカーが流行でした。ホテルの駐車場に仮設したサーキットでのラジコンエンジンカーレースに300人がエントリーしたこともありました。3日はチェックアウトのラッシュになります。現金での支払が多く、会計ではカウンターの下にダンボール箱を置いて、頂戴した一万円札の束を投げ込んでいきます。夕方になってやっと一段落し、イベントの装飾を片付けて正月プロジェクト解散となります。

何年かに一度は思いだすのは、この徹夜続きの勤務が終わり、おせち料理を楽しみに帰宅したときのことです。目にクマをつくってようやく帰ったところ、夕飯はカレーライスと餃子でした。カッとしてテーブルをひっくりかえしました。スープか味噌汁が当時人気であった大型のスピーカーのコーンにかかりました。家族は、ホテルマンはお客さまと同じおいしいおせち料理を食べていると思ったのです。贅沢なおせち料理は食べ飽きただろうからとカレーライスを用意してくれたのですが、睡眠不足と過労でそこまで考える余裕はありませんでした。

料理長や担当支配人クラスは食べているかもしれませんが、イベント催行中のスタッフは、社員食堂の定食と夜食の弁当しかありません。普段行く町場のレストランは休みですし、ホテルのレストランはどこも満席です。ましてや、スタッフ用に調理場がお客さま用の食材を出すわけがありません。かきいれ時で、正月料金で売れるカネになる食材です。

いまだだれにも謝ることなく、数年に一度ぐらい思い出してきました。
今年はこれを投稿して懐かしさを味わいました。
20代後半で勤め人人生が安定していた古き良き時代のこと。

何はともあれ、コロナの感染拡大の嵐が通り過ぎるのをじっと待ちます。

関連記事

  1. パンダ発見の日
  2. カブトムシ
PAGE TOP