202004-174:配当よりも雇用維持を機関投資家が転換

15年お世話になった会社は同族会社でカリスマオーナーのもとで従業員が社業に励んでいました。思えば、まだリストラも成果主義も思いつかない年功序列で定期昇給の古き良き時代でした。3月の年度末には未消化の有給休暇を会社が買い上げてくれるので期末ボーナスのような一時金がありました。
このささやかな勤め人の楽しみを、ある年、所属長は部下に代ってオーナーに返上を報告しました。そもそも経営幹部には有給休暇買い上げ特典は無かったので同じ条件になっただけです。直訴はご法度ですから、部下は部内会議で決定事項を告知され、異議なし、御意ということです。ごまめの歯ぎしりが聞こえてきますが、アフターファイブの赤ちょうちんで不満を漏らすと命取りになります。あらゆる職場に創業家の草が配置されていましたから。

それはそうとして、世界の機関投資家が配当よりも雇用維持を投資先の企業に求め始めたとのこと。個人投資家のささやかな楽しみである配当金を機関投資家が返上するわけです。
インカムゲインからキャピタルゲインにシフトするというだけのことです。個人投資家は儲けそこなうよりも損しないことを気にしなければいけません。

新型コロナウイルスの感染拡大で雇用不安が高まる中、世界の機関投資家が企業に従業員を守るように求め始めた。運用額約5800兆円の団体は、企業に解雇を避けるよう求め、配当減を容認する姿勢を打ち出した。投資家が連携し、製薬企業へ開発などでの協調を促す動きも出る。短期的な利益追求より、社会課題に向き合う方が長期的な成長につながると株主の考えが変わってきた。

配当より雇用維持を 機関投資家、コロナ対応で転換より

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