金言-936:警告前に避難して命を守る

命を守る

61年ぶりの大型台風が東京を直撃、首都直下型地震に相当する被害が心配されました。一夜明けて、台風19号の爪痕が次々と報道されることでしょう。被災された方々にお見舞い申しあげます。

今回は官民ともに「命を守る」という言葉が頻繁に発せられました。行政に警告を受ける前に自分の判断で早めに避難して自分の命は自分で守りなさいということであります。
法人の場合はそうはまいりません、いろいろなしがらみがあって、ぎりぎりまで逃げ出すことができず、手遅れになってしまうことが多いようです。
商いが傾き近未来が見えなくなり廃業、法人の孤独死。人口減少で地域経済が低迷、業績低下に加えて大手企業進出でローカル中小企業が事業継続を辞めるケースが増えています。取引先に迷惑をかけないうちに退場するのが自主的廃業、取引先を巻き込むのが倒産、経営者は自己破産。リーマンショックが元凶のようです。当時潰れるはずの会社がモラトリアム法で延命され、植物人間モドキで事業継続してきた私企業、今後の1年間に30万社が市場から消えていくそうです。(法人の20%が廃業・倒産です)
再出発の余力を残しての廃業がいい廃業なのですが、余力があるうちは挽回しようとします。諦めない限り負けはないとかいっているうちにステージ4となり手遅れです。持続可能な近未来は、余力を残して廃業する人たちにはあるはずです。後講釈ではそうなりますが、有価証券取引での損切と同じで、金貸し業者や再建屋さんに言われても、そもそも経営者は他人の話を聞きません!たくさんの授業料を払わないとできない意思決定です。

学生時代、瀬戸内海の小島での合宿中に干潮で歩いて渡った無人島から泳いで戻ったことがあります。瀬戸内海はプールのように波がなかったのですが潮の流れを知りませんでした。前に進まなくなり、このままでは流されると思い、余力があるうちに、先に着いた仲間に助けを求めました。十分に余力があったので、仲間には冗談だと思われました。沈み始めてようやく助けてくれました。法人も、余力を残しての円満な廃業は難しそうです。話せばわかるというときは、話しでは収まらないレベル5であります。

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