金言-1156:最悪を想定し最善を尽くす件

「最悪を想定し、最善を尽くせ」と海外の格言を利用して危機管理の専門家はアドバイスします。
ごもっともなことであります。日頃、最善を尽くすことを心がけています。しかしながら、最悪を想定するのは難しいです。我が国は言霊の国ですから、最悪なことを口にするのを嫌います。言葉として発すれば悪いことにかぎって実現してしまうからです。したがって最悪は想定しません。ベストを尽くして取り組み、敵わなければ諦めます。
想定外の事象に対する自分なりの対抗策は、乗り換え時間は多めに設定するとか、予定時刻の30分前にスタンバイするとか、貴重品は分散して携行するとか、何回か出し入れするスイカはホルダーに紐をつけて服やバッグに繋いで紛失しないようにするとか。

昔々、香港〜台中〜成田という行程で香港から台北の飛行機がトラブルで2回離陸を見合わせたことがありました。1回目は滑走路に入る前に機体のトラブルということで戻りましたが、再離陸する際に滑走路が空いていないということで待機、その間にオーバーヒートしたということで出発遅れから運休となりました。そこで台中での予定を諦め、成田便に変更して帰国しました。ところがバッゲージは乗り換えできず台北経由で成田に転送となり、東京の宿泊先に宅配してもらうことになりました。宅配費用は航空会社が負担してくれましたが、失った台中での商取引のチャンスロスは補償対象外です。
このケースで「最悪を想定し、最善を尽くせ」といわれても、お言葉ですけれど、想定外のことは最悪として想定いたしかねます。

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