2019-935:人生いろいろあります(^^♪

商いは納期厳守が鉄則で、守らなければ減益が代償となります。
減益は挽回できますが、約束を守らないと信頼を失い、商いは終いとなります。
期限に間に合わなければ意味がない案件は問題外として、多少約束の納期に遅れても信頼性はなんとか維持できるとしたら、それは永年のお付き合いの程度と仕事の質のような気がします。薄利多売で商いが成り立つビジネスモデルの場合は、少しでも納期を前倒しして手離れをよくして別の多くの仕事をこなしていくとことで優位性を得ることができました。追加残業無しで納期を短くすれば原価率が下がり、一定期間内に多くの案件をこなせます。しかしながら、こういう仕事はストレスが溜まります。どこかで歯車が狂うと納期が遅れ、コストが嵩みその結果減収減益となります。勤め人をやっていれば、よくあることで自然に学習します。
この常識を知ってか知らずか、上司の信頼を得ることもなく、永年勤続の正社員ではありましたが、何人もの後輩に先を越されながら、ほとんど注目を浴びることなく、みごと定年まで勤めた先輩が2人いました。この2人の職種は違いましたが、定年前の本人が自主退職するまでの1年ほど、事業所の前の歩道でワゴンを並べてセール品の販売をやっていました。年功序列の会社なら定年前に管理職になり定年後は子会社で肩書のついた契約社員になれたはずです。でも当人たちは納期とか信頼性とかに関心が薄く、周りが右向けば右、嵐がくれば同僚と一緒に頭を下げてじっと過ぎ去るのを待っているような勤怠でした。
ふと妄想するに、この人たちはやりたいことをやりたい時にやってきたのではないでしょうか。ストレスも周りの同僚と同じくらい貯め、赤提灯で愚痴をこぼし、週末は馬に投票し、大病もせず、お縄になるような不法行為には手を染めることなく、マイホームのローンは定年時には完済。きっとこんな暮らしぶりです。

7時から23時まで拘束され休日出勤、サービス残業、ハードワークで優位性をアピールしてパワーゲームに参加し、2倍働いて2倍の年収を手に入れるのもひとつの人生。あの二人のように自分たちのタイミングで働いて生活費を稼ぐのも人生。人生いろいろであります。
経営者としては、気が乗らないといい仕事をしない職人気質の勤め人も、決して無理をしない従業員も、清濁合わせ呑みの対象です。

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