201907-936:儲かっている商人は多少の損を気にしません

商人

嵐の秋葉クンに似てきた体育会系の俳優が弁護士に扮して企業再建に取り組むドラマ。初回を観ました。めでたしめでたしの一話完結のシナリオなのかもしれません。従業員の給料の遅配を避けるためマチキンの手も借り、追い詰められたところで会社再生請負人の白馬の騎士が登場し、債権80%を潰して新会社で再起を図るという夢のような話です。

金融業者はバンクミーティングで債務者に無礼な態度をとり暴言を吐きます。借りたカネを返せという合理的な要求の不適切な表現ですが、幸いこういう修羅場には縁がないので実社会ではどうなのか想像もできません。
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従業員に払うカネがないからといって、地元中小企業の味方である信金はカネを貸してくれません。人件費に充当するカネは投資になりません、新たな商いの足しになりませんから。そもそも売上のなかから、従業員にカネを支払います。足りないとしたら、払い過ぎか、売上の一部が計上されず内引きの餌食になっているのか、それとも商い自体が成立していないのか、いろいろあります。かつて金融業者の得意技は帳簿の精査とリストラでした。これをきっちり実行するために行員を融資先に出向させました。その後、この手口では乗り切れなくなって、次は外部スタッフをコンサルとして派遣する方法に切り替えました。金融業者に融資先の再建は餅屋は餅屋のたとえのごとく難しいということがいろいろな案件でわかってきました。

話を戻すと、このドラマでは倒産をさせてはいけないというのが基本となっています。そのために知恵をだし、ハードワークで苦境をしのぐというホームドラマです。
だいたい、年々損失が膨らむような商いは継続するだけ損をします。商人は潰さないではなく、損しないが原則です。有価証券取引の相場師や占い師も同じです、生き残るためにはロスカットが必須条件です。追証をだして強制ロスカットを避けても、プラ転する前に再挑戦の軍資金が枯渇し退場を余儀なくされるのが世の常であります。
儲かっている商人は多少の損を気にしませんが、損を嫌う商人はしっかり儲けています。

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