金言-86:投資と投機

1)オーナー:証券会社のセミナー講師

2)自己規律
「バーンスタインのデイトレード実践」という本の中で、著者は次のようなことを言っています。「何よりもまず、自己規律と根気を習得しなければ利益も成功も名声もあり得ない。これらのスキルは、トレーダーの心理に本質的に織り込まれるものである。私の経験から、長期、中期、短期、そしてデイトレーディングのいずれかを問わず、トレーディング手法のなかで最も重要な部分はトレーダーの心理であるという認識に至った。効果的なトレーディングシステムや手法と同じくらいトレーダーの心理も重要である。」

成功しているトレーダーに共通するのは、自分自身の方法論を組み立てる能力とそれを守る「自己規律=discipline」と言われます。ただ、方法論には絶対というものはありません。テクニカル分析だけの人もいれば、ファンダメンタル分析だけの人もいますし、100%システム売買の人もいれば、裁量でトレードする人も、もちろんその中間の人もいますが、どのように優れた方法論があっても、トレードの管理方法とそれを守る自己規律がなければ、一貫した結果は出ないと思います。

3)個人投資家
現在増えている個人投資家というのは、実は投資ではなくて、投機をされている方が多いのです。投資とは、会社の将来性に自己資金を託し、会社の事業を応援し成功報酬を期待するものであるとすれば、個人が余裕資金で始める株の売買は、企業に投資するミニエンジェルではなくて、あわよくばプロのトレーダーのおこぼれにありつこうという投機ともいえます。それが、どうのこうのではなくて、それなら、何よりもまず、自己規律と根気を習得し利益をあげましょうと、相場師(トレーダー)は、やさしくささやきかけます。

◆あとがき

「1984」という小説に登場するBIG BROTHERという言葉を覚えていますか。確か、「BIG BROTHERはいつもあなたを見ている」というフレーズがあったような気がします。先週、長崎で中学1年の生徒が犯した殺人事件の解決に役立ったのが、防犯カメラだったという報道、また、新宿に防犯カメラを設置したことにより犯罪発生件数が10%以上減少したというコメントを聞いて、学生時代に読んだ「1984」を思い出しました。

犯罪防止と今回のような事件解決の実績により、今後防犯カメラがいろいろなところに設置されることでしょう。凶悪な犯罪が横行し、市民が不安になっている現在、極めて違和感なく、カメラが設置されることでしょう。ところが、このビデオに記録されるのは、犯罪者より一般市民の方が圧倒的に多いのです。そうなると、防犯カメラは国民監視カメラの機能を持つことになります。だれもが納得するような状況の中で、世の中が変わっていくような気がしました。

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