201902-70:距離感が違う人とは商いはしない

距離感

外資でハードワークを楽しんでいた頃、英独仏伊での販売会議ではタフタイムに苦しみました。
ドラゴンボールと同じように、何回も致命傷になりかねない痛恨のミスをしましたが、幸運にも退場は避けられました。
一番きつい時間は、会議の後の夕食そしてバーラウンジでの歓談でした。食事に2時間、歓談に2時間程度。この間に話題を提供したり話の内容が理解できないときは酒を飲むだけです。酒を飲むだけとなるとジェットラグ、睡眠不足、疲労、ストレスなどで睡魔との個人戦になります。
日の丸を背負って金メダルを狙うアスリートの気持ちが少し理解できました。後ろを見ても味方はいません。母国の誇りを持たない無国籍のアスリートは相手にされません。商人も同じです。無国籍料理と違い、母国の歴史文化を理解し国民としてのプライドを持たないセールスマンは相手にされません。そういう意味で国際会議での宴席は、自分なりの、国の威信をかけて渡り合います。
当時学習したことはたくさんありますが、スーパーセールスマンはみなさん家族を愛し、父母を尊敬し、師匠の背中を追いかけていました。身の上話なんていうグチではなく、自分がどういう環境で育ち学び成長し実績を残してきたかを、今でいう個人情報を少し開示して、成功事例を共有していました。
個人情報開示を嫌い、取引相手と距離をおき、商品カタログの説明だけで商売繁盛を期待する人たちがいます。
これもご時世でしょうが、第一印象とひらめきに優位性を与える商人にとっては喰えない輩です。

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