金言−719:自分なりの第2の創業で自衛

バブル崩壊後の不況が深刻になるまでは、定年退職=無職という喪失感を緩和する
ために私企業では子会社の役員、役人は天下りという救済策がありました。永年勤
続のがまんの先には必ずいいことがあるというお約束でした。
この古き良き時代は、失われた20年の間にすっかり過去のものとなりました。
リストラや早期退職で門前払いされた勤め人は、即日「職業=無職」です。
ギリシャやアフリカなどの失業率の高い国では、雇ってくれる会社がないので皆個
人事業主となって、自分で仕事を探して生活費を稼ぎます。
我が国では、ほとんどの50代ビジネスパーソンは、この先何年がんばっても、ま
た、転職を繰り返しても、事業部長で頭打ちという限界が見えてきます。さらには
、子会社や天下りという花道が期待できなくなった昨今、退職即無職を避け、起業
を選ぶケースが増えました。
カネで買えないといわれてきた暗黙知とネットワークを、カネに換えて老後の備え
にしようと考えるようになります。
企業は、本業が先行き不透明になると「第2の創業」と称して事業の柱を増やした
り、軸足を移したりして、生き残りをはかります。その流れに乗れない、または戦
力外となったビジネスパーソンは、勤め先のカネで培った商いに関する「カネで買
えない」個人資産を元手に、自分なりの第2の創業で自衛します。
企業で経営幹部にまで昇進して勝ち残った人が、定年後無職でいると現役時代の無
理のつけがまわってきて、戦闘能力や免疫力が極端に低下して経年劣化・老化のス
ピードが速まるようです。

「くわばら、くわばら!」

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