金言−379:スローモーション

1960年代、NHKの大相撲中継ではスローモーションという録画が人気のある
取り組みの後に流されていました。一瞬で決着がついた取り組みの内容をもう一度
ゆっくりと見ることができました。

当時は林家三平が活躍していました。大相撲のスローモーション録画放送をネタに
した三平の小咄がありました。応援している力士が負けたときに、「スローモーシ
ョンでもう一番あるから、今度は勝つかもしれない」というようなくだりがありま
す。同じ取り組みの再放送ですから、結果は変わらないことはわかりきっているの
で、ここで笑いをとり、つかみはOKとなります。

この小咄の笑いは、いまでも毎日繰り返されているような気がします。たとえば、
競馬のゴール前後のライブ放送を見たファンは録画放送も必ず見ると思います。投
票した馬が負けたときでも再放送を見ると思います。野球なら、ホームランを打っ
た場面、三振やエラー、ボールがグラブに入ったシーンを繰り返し見ると思います
。勝ったゲームのVTRは、喜びをもう一度味わうために見ます。負けたゲームの
では、負けた理由を探り次の勝利につなげるためでしょう。でも、VTRを見なが
ら、ふと、今度は勝つかもしれないと叶わぬ夢を見る一瞬があるかもしれません。

ビジネスの現場でも、今度こそと期待して、不適切な意思決定をしてしまうことが
あるような気がします。前回の失敗に懲りず同じミスを繰り返すことです。失注し
た前回と大差ない取引条件、環境、責任者などで提案書をまとめ、次は受注しよう
と再挑戦するケースです。一度失敗したプロジェクトマネージャーは失敗を繰り返
す確立が高いので、赤字プロジェクトをだしたPMは二度と使わないというソフト
会社の経営者がいましたが、こういう経営判断はレアケースかもしれません。第三
者は、条件が同じなら結果も同じと平常心で考えますが、当事者は大相撲のライブ
放送の結果と録画放送の結果は今度は違うかもしれないと「ボケ」を演じてしまう
かもしれません。

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  1. みやぞん
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