金言−276:美しいほうがいい

つい最近までは大きいことはいいことだといわれていたことが、これからは通用しな
いということが身の回りでもわかってきました。

1)大企業≠倒産しない≠老後の不安がない
この10数年の間に、帝国海軍の戦艦大和のような大企業がいくつも沈んでしまいま
した。ライバル企業の放つ魚雷やミサイルで撃沈された会社、整備不良で漂流する間
に競争力を失った会社、見張りの怠慢で氷山に衝突して沈没する会社、旧式のビジネ
スモデルが通用しないのに変化を嫌いジリ貧の会社、危機管理意識が希薄で外国資本
に乗っ取られた会社など、大本営の保証付きの不沈艦が次々と沈んでいます。荒海に
放り出されて大企業従業員の名刺もなくなってしまう勤め人は、過去の優位性だけで
は相手にされません。老後は大不安です。通勤電車の中で、元気のない顔をしている
のは、病人か大企業のサラリーマンに間違いありません。

2)老舗≠ブランド≠優位性
あと少しで創業100年を迎えることができたペコちゃんは、どうやらパン屋さんの
養子になるようです。一部上場企業で、老舗で、ブランド認知度が高くて、大きくて
立派な会社だからといって安泰ではないということが、また証明されました。平家物
語の盛者必衰の理は、永遠に不滅です。

3)フルサイズのアメ車<日本の小型車
昔話ですが、1980年代、売れない大型車を日本に押し売りにきた某国大統領ご一
行様が大阪の空港から京都に行くのに自国の車を使いました。皮肉にも、パレード途
中でご自慢のクルマにトラブルが発生してしまいました。それでも、外交努力とかい
う政治経済軍事的な圧力に助けられ、さらに加えて当時の日本国の指導者の人柄に甘
え、大型車拡販のミッションはきっちりと結果を出しました。
近頃は事情が変わりました。小型・軽量化、ハイブリッド化などの省資源技術に優位
性をもつ日本車に、フルサイズの大型車が負けています。人間一人の移動に、日本車
より多量の化石燃料を消費するのはいかがなものかということです。脱地球温暖化の
流れには逆らえません。

4)美しければいいじゃないですか。
現日本国総理大臣は美しい国をめざしています。美しければ、許されることはあると
思います。
昔のイタリアのクルマは、冬はエンジンがかかりにくいし雨がふれば雨漏りがすると
いう日本車の快適さとは違うモノづくりをしていました。クルマはブレーキを踏めば
必ず止まらなければいけません、これが絶対条件です。エンストや雨漏りしたって、
デザインが美しければいいじゃないかという美学です。

大きいより、地球に美しいほうがいいじゃないですか。

◆あとがき

クロスバイクという中高年に人気の自転車を買って3日目に、往復120KMの無謀
な日帰りサイクリングを決行しました。朝7時に出発して、やっとの思いで夜の8時
前に帰宅できました。道路というのは、上り坂が必ずあります。最初のひとつふたつ
の坂は難なくクリアしていきますが、そのうちに足が痛くなり、ペダルがこげなくな
ります。自転車を降りて休んでも痛みは消えません。休んでも消えないなら、仕方な
いのでまた走りだします。

箱根駅伝のランナーの気分です、辛いのですが、走らないと帰宅できません。不思議
なのは、痛みをがまんして走り続けるとふと痛みが消えて体が軽くなることがありま
す。そしてまた痛みが出て、自転車を降り休憩します。これを復路でたびたび繰り返
して、ついに出発点に無事戻ることができました。

毎朝、10KMのウォーキングのおかげで、足の痛みは2日たってもでませんでした
。そのかわりお尻が痛く、自転車に乗る気分になったのは、120KM走行した日か
ら1週間後でした。

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