金言-192:脇目も振らず

見ないですんでよかったのですが、それ故に怖かった日常生活での1シーンをご紹介
します。

1)バスに乗っていました。
バスが片側1車線の狭い道路を走っていたときのことです。横断歩道で運転手が一時
停止しました。反対車線の方から、小学生の女の子が止まってくれたバスの運転手に
帽子を脱いであいさつして、横断歩道を渡りかけました。女の子はバスしか見ていま
せん。反対側からはバイクが接近していました。

2)バスの運転手がクラクションを鳴らしました。
バスの運転手は対向車線に近づいてくるバイクが、横断歩道を渡っている女の子の前
でも減速しないので、クラクションを鳴らしました。突然のクラクションに、横断歩
道を渡っていた女の子は、驚き、立ち止まり、あわてて向きを変え歩道に戻ろうとし
ました。バイクは、女の子が横断することを予測してスピードを落とさなかったので
、突然視界に女の子がはいってきました。かろうじてかわしました。女の子は無事、
横断しました。

3)バスの運転手が悪いと思いました。
たまたま、女の子がバイクに接触しそうになった一部始終を目にしました。最初は、
帽子を脱いであいさつしている歩行者に、何でクラクションを鳴らしたのかわかりま
せんでした。もし、バスの運転手がクラクションを鳴らさなかったら、女の子はその
まま横断歩道を渡りきったはずです。一瞬の出来事でしたが、もし事故になったら、
バスの運転手に何か言ってやりたい気分でした。(親会社が上場廃止されたこととは
関係なく)

4)教訓
何かをしかけているときに後ろから声をかけられも、手を休めたり、ふりかえったり
してはいけません。前方のリスクは減ることなく、スピードを落とすことにより更に
後方と左右からのリスクが増えることになります。脇目も振らずに、選択と集中がや
はり大事なことなのです。

◆あとがき
先日テレビ番組のなかで、「うすはり」というグラスが紹介され、早速取り寄せまし
た。電球の球を吹いていた職人の技で作った0.9ミリという薄手のグラスです。1
個1500円程度なのでクリスタルの食器ほど高くはありません。

このグラスを手にするのは2度目です。1度目は、1987年の冬に道頓堀にあった
(今でもあるかもしれませんが)すき焼き専門の料理屋で、ビールを飲んだときでし
た。軽くて薄いので、手にしたときにプラスティックだと思いました。なにしろ店構
えは、仕舞屋(しもたや)風で、2畳ほどの小部屋がいくつかあるだけの小さな店で
したので、安い什器を使っていると勘違いしました。デザートにメロンを頼んだら、
1人前3000円といわれたので、あらためてグラスを指ではじいてみたらガラスで
あることに気が付きました。3人で6万円近く支払ったので、今でも覚えています。
バブル崩壊後にそのような贅沢な店に行く機会もなくなり、このグラスのことは忘れ
ていました。

そして昨日、18年ぶりに再会しました。朝7時前から夜中の11時過ぎまで、週6
日以上何かに憑かれたように会社にいた頃、一度だけ手にしたグラスでした。車のセ
ールスマンと証券マンや商社マンが肩で風を切っていた時代に出合った逸品です。

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