金言−859:早々に撤退

郊外の私鉄駅前の14階建ての集合住宅の1階はテナントが入っています。
今空き物件が2件あります。元CDレコード屋さんと元創作料理パスタ屋さん。
パスタのお店は短い営業期間でした、創作料理ということで内装や什器にカネをつ
かい、従業員も多めというか席数に比較して適正な配置ではありませんでした。素
人の後講釈はいくらでもあります。

だいたい飲食店は先行投資も初期投資もあまり要求されない敷居の低い商いです。
オーナーが調理師免許を持っていればコストは最小限ですみます。さらにどこかの
繁盛している名のある店で料理長を経験したとかいうセールスポイントがあると、
開業当初は話題性もあって賑わいます。
異業種出身のオーナーが料理とサービスを他人まかせに開業すると高くつきます。
差別化とかユニークさとかいって、什器備品にカネをつかったりすると、すぐ資金
繰りに苦しみます。
新規開店で従業員が多めで皿など什器が特注品で食材にこだわると、自分なりの経
験から1年持たないなと推察します。お客様は物珍しさで一度は暖簾をくぐります
が、差別化を狙った料理は一巡すると陳腐化し飽きられてしまいます。業界の新参
者はランニングコストを低めにして小さく始めて大きく育てる気持ちがないと生き
残れません。大化けする新規ビジネスは千三つです。何かの損を取り戻そうとして
未経験なのに手軽なそば屋などを始めると、傷口に塩を塗られてしまいます。

1階の創作料理のパスタ屋さんには2度行きました。郊外の私鉄の駅前ですが、隣
の中華や和食の店より料理単価が高く、従業員は数はいるけれどパートのアマチュ
ア。単価に見合うまたはお値段以上のサービスを提供できるスタッフではありませ
んでした。常連客の育成には荷が重いといいますか、そこまでのおもてなしは考え
ていないような感じでした。まことに大きなお世話ではありますが次の商いを始め
る資金が残っていれば、改善点です。

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  1. 居心地
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