金言-150:春待ち再生

1)企業再生がうまくいかない理由:産業再生機構COO
バブル経済崩壊までの数10年間は、債権放棄で債務を減らしコストカットを優先し
新しい投資はしないという手法が成功パターンでした。バブル期は、事業の多角化が
流行し本業以外に余計なことをやって危なくなった会社が多かったのです。しかしな
がら朝鮮戦争特需からはじまる右肩上がりの経済では、とにかく財務リストラをして
、選択と集中ということで余計な事業を切り捨てじっとしていればやがて景気が上向
いてきて本業の売上が増えて息を吹き返すことができました。
いわゆる春待ち再生です。右肩上がりの経済が終わると、春を待っていても期待した
春はやってきません。財務リストラだけやっていてもどうにもならない時代に直面し
ています。

2)企業はひとなり
財務リストラ中の企業は、社員を削減し、給料一律カットをし、残業や諸手当をカッ
トし福利厚生を薄くしていきます。さらに、成果主義という経営幹部にとって都合の
いい給与体系をとりいれます。残った社員には、年末まで何とかしのげばやがて春が
くるということで、さらなる人件費カットが待っています。事業をやっているのは人
間です。コストカットを続ければ、会社は存続するかもしれませんが、人心は荒廃し
腐っていきます。思いがけず春が訪れても、息を吹き返す活力は残っていません。

これから冬を迎える季節に、なんとか春がくるまで我慢してくれといわれても、人は
今を楽しく暮らせません。自分の子供の就職先に推薦できないような会社には、事業
を活性化するヒトが集まりません。

3)春はやってきます
朝の来ない夜はないわけですから、必ず冬の後には春がやってきます。しかし、冬の
間に凍えてしまったら、どうにもなりません。自分の春はどこから来るのかをよーく
考えて進路を決めるのが肝心です。チャレンジして損するリスクを恐れるより、リス
クを負わず得をしないことを恐れるべきです。

◆あとがき

イチロー選手の快挙。米国の大リーグで世界的な記録を達成するということはうれし
いことです。経済戦争で負け続けている日本にとって朗報です。やってできないこと
はありません。やらずにできるわけがありません。彼の幸運にあやかり、毎日楽しく
暮らしていきましょう。

関連記事

PAGE TOP