金言-887:モノはいずれにしても手放します

若者の車離れは、所有することで経済的に支配されるのを嫌っているのかもしれません。自動運転が確立すると、免許証取得も簡素化され現在の自動車学校は廃業です。エスカレータやエレベータの乗り方を覚えるように、乗用車で移動する方法をスマホで学習するだけになる時代がやってくることでしょう。車は所有するモノから移動中に使用するモノに変わります。カーレンタル、カーリース、カーシェアと、昨今はマイカーを所有することでステータスを表現できるモノとしての存在感が希薄になっています。モノを必要に応じて利用する消費スタイルが定着しつつあるということです。

トヨタは車所有離れに対抗して、一定額を払えば車を乗り換え利用ができるサービスを発表しました。
ユーザが車を所有するというこだわりから解放されると、移動中に使用するモノとして割り切ることができそうです。買った時点から消費財としての車は時価が下がっていきます。それなら取得額と時価または売却額の差額を継続課金と考えサブスクリプション型の消費に乗り換えればいいわけです。

ふと我が家のお墓が浮かびました。祖父の時代に横浜に移住して以来100年を越えました。墓も100年を越えていますが、所有はしていません。お寺さんに毎年彼岸に保守管理料を払っています。墓地は寺の所有です。墓石は石屋さんから買って設置します。墓地の保守管理料支払いが止まり、連絡先が不明になると、一定期間の告知のあと、更地になり、別の家の墓が建ちます。
我が家での「所有しない、利用する」の消費スタイルは100年以上前から導入されています。

3代目は、2代目から承継した不動産を売却し、賃貸住宅に住んでいます。
マイカー時代は2~3年おきに新車に乗り換えていましたが家は買いませんでした。その時々の仕事場と収入に合わせて住み替えてきましたので、現在の居所は15軒目になります。上り坂の時は収入が増えるたびに快適・便利な物件に移り、下り坂の時はより安価な物件でシンプルに暮らしてきました。家は一生の買い物とよくいいます、車と同じで所有すると経済的に支配されます。支配されるのを嫌い、しがらみから距離をおき、身軽な暮らしを選びました。それに、賃貸の墓に転居する際は、所有していたモノはすべて例外なく手放すことになっていますし。

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