3月11日を境に消費者のマインドが変化してきているようです。いわゆる断捨離
が身近なものになってきました。
消費しきれないモノを蓄えず、使わないモノを買いそろえず、水道電気ガスのライ
フラインを浪費しない、といった省資源の生活がもとめられています。計画停電で
何回か実習と警告を受けたからだと思います。
地震や津波や放射能汚染農作物や宅地の液状化被害を免れた首都圏の住民も、福島
原発から漏れてくる高い濃度の放射線物質による被害を受けています。震災特需の
会社で仕事をしている人より、震災後の景気後退で所得が減っている人の方が圧倒
的に多いことでしょう。
最近はNHKの受信料徴収に関する話題がでてきません。被災地から避難してきた
世帯が住む住宅に受信料を払えという戸別訪問をしたらマスコミの格好の餌食にな
ることでしょう。
一方、不動産仲介業者は追い風のようです。ローン返済のシナリオが崩れたサラリ
ーマンが手放す物件の売買や地震・液状化・放射能汚染で一時的にマイホームに住
み続けることが困難になった地域の住民が緊急避難先として賃貸物件を選ぶという
特需が発生したからです。
日本中、いつどこでおきてもおかしくない大地震がより現実的になった昨今、瓦礫
の一部になってしまうリスクをとってローンでマイホームを取得するか、それとも
、現在の居住環境が災害で壊れたら身軽に引っ越しできる賃貸にするかの選択です
。資産家は耐震補強工事をしてますます堅固なシェルターを築くことでしょう。
今までは、大金をはたいて取得したマイホームが天災人災で無価値になることは想
定外でしたので、住宅を借りるよりは買うことを大半の日本人はライフワークとし
て選んできました。今回、不動産への執着がいかにリスキーでコストがかかるかを
、東京電力の経営陣が教えてくれました。
福島原発の事故処理に見通しが立ったときに、事業仕分けで無駄を省くという「足
かせ」から解放された官僚と政治家がばらまく巨額な復興予算に支えられて、再び
不動産屋さんと車のセールスマンが肩で風を切るミニバブルがやってくるかもしれ
ません。