「嫌なことを考えているときは下を向き、楽しいと感じているときは上を向く」
嫌な記憶は、空間の下の部分、楽しい記憶は上の部分に保存されるといいます。振り返れば、会議で不利な立場に陥ったり責任を追及されたりして困ったときは、下を向いて何かを考えていたような気がします。挽回のチャンスがないときや何も考えていないときは、頭の上を嵐が通り過ぎるのをじっと待っていたのかもしれません。
このパターンを逆手に取ったシーンを思い出しました。
金儲けは大得意ですが決して善人ではない上司の下で働いていたときのことです。
この人は、部下の失態をとがめる場面でよく机を力強く叩きました。その瞬間、部下が縮み上がるのを見て、この上司は部下との力関係を確認し納得していたようでした。
あるとき、この怒られ役の番がまわってきたので、いつものお約束を破ってみようと思いました。滅茶苦茶怒られているときに、なるべく下を向かず、そして、クライマックスの机をたたくシーンでは、下を向かず相手の目を見て平静を装い何のリアクションもしませんでした。清原選手がデッドボールを受けたときに何もなかったかのように痛みに反応しない不気味なパファーマンスみたいなものです。
これは狙いどおりの効果がありました。いつもと違うリアクション(無反応)を部下がしたので上司は戸惑ったようです。部下としては、上司の理不尽な感情的な行為にはお付き合いしないということを意思表示したつもりでした。効果が半減したことを感じたのでしょうか、その後、上司が机をたたくシーンは激減しました。
そういえば半島のロケットボーイがときどきミサイルを飛ばし、東アジア諸国にかまってほしいとアピールします。米国の不動産王も世界同時不況の引き金をひき全世界に覇権をアピールしています。いずれも無視することが効果的な対抗策のような感じです。