金言−325:不良品

中国文化圏では、旧正月に餃子を食べると縁起がいいそうですが、今年の日本は中
国産冷凍餃子は家族に禍をもたらすのではないかという不安がひろまっています。

食中毒を起こした餃子に混入していた農薬に不純物が多いという検査結果から、農
薬も中国製かと疑われています。中国製品がまだ日本に浸透していない頃は、粗悪
なモノはアメリカ製というのが定説でした。当時、ファッションの世界では、若者
が米国製の野球帽を好みました。米国製か日本製かの見分け方は簡単でした。縫い
目がまっすぐとか細かいとか仕上げが丁寧とかいうのが日本製で、そうでないのが
本物の米国製というものでした。

現在ではユニクロなどの登場によって、メイドインチャイナのテキスタイルの品質
は日本製と同等またはそれ以上にまで高まり、安価な良品が市場にでまわっていま
す。残念ながら、食品はまだ改善されていないことが、今回の毒入り冷凍餃子事件
ではっきりしました。テロリストが仕組んだもので製造工場の品質管理には問題な
いと中国政府の関係者がコメントしていましたが、そうかもしれません。しかし、
テロリストがやったからといって、中国産を敬遠する消費者の気持ちは変わりませ
ん。テロリストが飛行機を爆破しても、国民は飛行機に乗ることをやめませんが、
テロリストが中国産の食品に毒物を混入したら、日本国民は中国産の食品を食べま
せん。欧米の飛行機と中国食品には、安全管理と事後の対策に無視できない格差が
あるからです。

もし日本人が要求する品質管理をしたら、中国産の食品の原価が高騰すると中国産
に詳しいという某大学教授がコメントしていました。これは、実社会の商取引を知
らない学者の感覚です。

20年前は、日本人が要求する品質は、価格とは必ずしも連動していませんでした。
安かろう悪かろうという基準は日本の消費者が納得しませんでしたので、安い商
品にも品質が要求されました。それなりの価格だからそれなりの品質でいいという
100円ショップの消費者マインドはまだ存在していませんでした。そのため、日
本向けには、検品作業を増やすことになり、製造者は検品コストの上乗せを要求し
ました。当時の売買契約には、たとえば4%の不良品発生率は許容範囲と明記され
ていました。そのため、日本の輸入元なり販売元は出荷前に自前で再検品し、小売
店からの不良品の返品を無条件で受け入れていました。その不良品発生率が4%を
超えないかぎり、製造元へのクレームは発生しなかったのです。

現在は、様相が変わり、工場では、徹底した品質管理を実施し、不良品発生率を低
くすることによりコスト削減をはかっています。製造工程に無駄がないから製造コ
ストが削減され、先進的な工場、最適な生産計画、合理的な流通のしくみによって
価格競争力がうまれています。このうねりが、まだ中国の食品生産業界にやってき
ていないということです。

前述の某大学教授は、家計が苦しくなるより、リスクはあるが安い中国産で我慢す
るほうがましだろうと、いっているような気がしてなりません。こういう有識者は
今後、状況の変化につれてコメントを言い換えて生き残るにちがいありません。

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