金言−291:人物像

メディアや講演会で本人の容姿を見たり声を聞いたり、直接発したメッセージを耳に
したりすると、事前に経歴や肩書きから形成された人物像との落差を感じることがあ
ります。

昔、儲からないビール事業に本業の儲けをつぎ込んでいる非上場の同族会社の経営者
の講演を聞いたことがあります。この人は、企業のトップがメディアに顔を出すよう
になるとその会社はおかしくなるというようなことをいいました。そのときはなるほ
ど、そのとおりだと納得しました。この人は、毎日2時間近く水泳で汗を流し、創業
家出身者以外は社長になれないから役員は安心して仕事に専念できると豪語していま
した。

北尾吉孝氏の若者向けの近著「何のために働くのか」に、次の一節がありました。
「東洋哲学では、徳が才に勝る人を君子と呼びます。才が徳に勝っている人というの
は、大才であったとしても小人なのです。どちらも並外れてすぐれている人を聖人と
呼ぶわけですが、徳か才かといわれたら、やはり徳のほうに重きを置くのです。」

この人は、新興企業経営者がエスタブリッシュメントにたてついた昨年の一連の報道
の中で、テレビのワイドショーにも登場して存在感を示しました。TV画面を見て、
物理的に顔が大きい人という印象を受けました。今回この人を話題にしたのは、著作
を読んで、いままでもっていた人物像が少し変わったからです。経歴と肩書きから想
像して、この人は欧米のエグゼクティブと同様の感覚と人生観を持ち、「大才」とし
て活躍しているというのが事前の人物像でした。ところが、この若者向けの著作の中
で、東洋の伝統的な価値観、ある意味で民族主義的な考え方を軽視していないことを
明らかにしています。意外でした。野村證券出身、ソフトバンク、SBIなどのキー
ワードが、ライブドア、村上ファンド、楽天といった新興企業のリーダーの人物像と
重なったためです。この人も、「世のため人のため」といっています。ベンチャーで
成功するには、「世のため人のため」という崇高な精神をもっていないといけないと
いうのが、どうやら普遍の条理みたいです。

◆あとがき

今年の梅雨はいつもと同じでしょうか。私企業の定例会議では、「いつもどおり」と
いう報告を経営者は嫌います。業績が前年割れの場合は、いつもどおりでは会社を存
続できなくなりますし、上昇傾向にある事業を展開しているときは、前年並みはマイ
ナス成長になります。
なにはともあれ、より積極的に自然と向き合い、雨天を楽しめる工夫をしたいもので
す。7月1日は山開きです。雨にも負けず、富士山頂を目指すとしますか。」

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