金言-1082:バーバーのマスターの話

1600円から2100円くらいのチェーン店が繁盛する中で、住宅街で個人営業のバーバーの前を通ると、ほとんど開店休業状態の店が多いのに気がつきます。タオルの洗濯を外注していない店は、2階の居住区で干しているタオルの量で来店客数が想像できます。
会社勤めを始めてからマスターが引退するまで、ずっと通った床屋さんがあります。マスターは引退するときに、常連客にいろいろな記念品を配りました。永年の貢献により記念品を2個いただきました。その時、マスターがもらした一言を覚えています。
「床屋は景気の影響を受けない。不景気でも髪は伸びるし、景気が良くても髪がたくさん伸びることはない。好景気の時は地味な商売になる。」マスターが現役時代は、低価格のチェーン店が市場に登場していない頃だったので、当時の町のタバコ屋さんと同じように、常連客がいて経営は安定していました。今は、疫病感染拡大が3年も続きバーバーは密が嫌われ、たばこ屋は受動喫煙の健康被害が嫌われおまけに重税で逆風です。
昨今、安くて30分ほどで調髪ができるチェーン店が増え、1時間以上かける4000円の町の床屋さんは閑古鳥が鳴いています。でも廃業しないのは、本業ではないからのような気がします。賃貸住宅の大家さんが1階に店をだし、主たる収入は家賃収入という床屋さんが、節税効果も期待して営業しているので廃業することもないというケースが多そうです。大家のマスターが引退するとバーバーは閉店です。
疫病感染第7波の影響で、行列ができる2000円のチェーン店を避け、4000円でも予約制で店内は常時マスターと2人という個人営業が見直されているかもしれませんけれど。
たばこは、年賀状やお中元お歳暮と同じでダウントレンドです。

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