202207-241:誘惑者の日記

馬車から降りる女性の脚を見たときの一節。
高校時代に読んだゼーレン・キルケゴールとレギーネ・オルセンの出会いのシーンだったかもしれません。
今なら、ベンツが停車してドアが開き、まず視界に入ってくるハイヒールとふくらはぎを見て、昂る気持ちを表現する一節となるかもしれません。

3年続く疫病感染拡大で、マスクありのフォトジェニックなヒトが定着しかけたところですが、最近はマスクなしを政府が推奨しています。そのため、遊歩道を走るヒト、歩くヒト、ペット犬と散歩しているヒトのマスク無しが増えました。
そうなると、いままで見慣れた風景が変わってきます。
3年ほど、きれいに走る後ろ姿とマスクありでキリッと光る眼が印象的なランナーを週に複数回眺めてきました。このランナーが走る姿を、前述の馬車から降りる女性の脚を見るような、ショーウィンドウ越しの安全な場所から見る展示品のような感覚で眺めていました。

ところが不運にも、今朝のウォーキングでマスク無しの顔を見てしまいました。
マスク有り無しでこんなにも雰囲気が違うものかと大変おどろきました。
キルケゴールが描写した馬車から降りる脚の件、雲散霧消となった次第です。
所詮妄想ですけど。

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