金言-1050:モノが少なければ心配事も少なくなる

ZのTバールーフに乗っていた頃、レストランでは食事よりも駐車場に停めた車が気になり落ちつかなかった覚えがあります。隣の車がドアを開けたときにZのドアにぶつけられないかと心配したりしていました。実際に5回ほど傷がつきました。そのうち1回は修理代を弁償してもらいました。今思えば些細なことでした。砂利を跳ねて傷がつくとか、いたずらされるとか、そんな心配は取るに足りないことでしたが。降雨の中央高速を高速走行中にハイドロプレーニング現象でスリップして、中央分離帯に接触して3回転して路肩に止まりました。自損事故ですみ、修理代だけで減点無しでした。あの時、逆ハンを切りながら確かに一瞬のうちにいろいろなことを考えました。胸にシートベルトのあざができただけでしたが、数年間は雨が降ると3回転を思い出し緊張しました。悪名高いカップル風に言えばPTSDです。

今は4輪車が必要なときにはレンタカーですませます。所有をやめたことで四六時中の心配事から解放されました。駐車場のスペースもメンテナンスも税金も不要です。幸い、徒歩圏内にレンタカー屋さんが2軒あり、車種を限定しなければいつでも車を借り出せます。

マイホームマイカー時代には所有することも楽しみでした。所有すると維持費が大きな負担になりましたが、いつでも楽しめるための必要経費と考えていたようです。一度モノをリリースすると、モノがないことで生じる開放感を味わうことができます。これがくせになります。モノが減ると探す時間が減ります。モノを買わないとカネを使いません。使わないからカネが貯まります。その先の地平にはモノに煩わされない心地良さがあります。

先週、断捨離のつもりで、スプーンとナイフを買い替えました。純チタン日本製のモノを、家族人数分買い増しし、銀メッキやステンレス製品をとりあえず日常目に触れない食器棚の隅に隔離しました。チタンの光抗菌作用は疫病感染に対抗してくれることを期待しました。厚手のステンレス製に比べて、軽薄短小な感じもしますがチタンの優位性を選びました。スプーン・フォークの表面の酸化皮膜には、光が当たると雑菌や有機物を分解する”光抗菌作用”があるそうです。太陽や蛍光灯の光を浴びるだけで汚れや匂いを浄化するのでいつも衛生的。製品寿命は所有者の健康寿命を上回るのでオーバースペックかもしれません。でも、ポジティブな気分にしてくれるモノは使う楽しみがあります。

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