マルタマがコロナ禍で苦し紛れに口にした、「別の地平」ですけれど、実際にマルタマには違う世界にいる人たちがいたと考えます。
自分の近くにも別の地平で暮らす人がいました。
この人は、学生寮ではどこからか手に入れた生きた鶏を絞めて闇鍋パーティをやりました。実家が小料理屋をやっているという噂でした。バイトでは、医学部志望の高校生の家庭教師をやり、一緒に医学部を受験し合格しました。私立大教養学部を退学し、国立大医学部に入学しました。その後、医師免許はもちろんのこと、税理士か弁護士の資格も取得したにちがいありません。
まちがいなく、別の地平でパラレルワールドの住人です。