金言-211:会則

ヤクザの親分の組織論が「経営学」として文書化されていましたのでご紹介します。
業界最大手の組織の会則です。

会則:「団結、報復、沈黙」
官憲の前では次のとおりに説明するそうです。
「団結とは要するに和である。和を保つこと。報復とは要するに他人に受けた恩は必
ず返せということ。沈黙とは他人のことをあまりぐずぐず言わない、口を慎めという
こと。」

この会則で維持する組織は、圧倒的な武力の誇示が前提です。武力による優位性が組
織に平和をもたらすそうです。勝てるかもしれないと相手が勘違いすると、つっかか
ってくるので、武力は一目で力の差が分かる程度でないと意味がないとのこと。

話せば分かると叫ばなければならない状況で、話し合いが持たれることはなく、通常
は圧倒的な力を持った方が問答無用といって一件を総括します。企業間では、武力よ
り金と権益の絡む既得権を持った方が優勢です。企業内では人事権を持った経営者側
が勝ち組で、たとえ営業力をもっていても被雇用者は弱い立場に置かれます。

高倉健が表現した任侠の世界では、健さんは渡世の義理を立てて親分の理不尽な振る
舞いにもじっと耐え続けます。(力道山が悪役レスラーの反則技に限界まで耐えて最
後に空手チョップで決着をつけるように)堪えきれなくなったところで、健さんは重
たい義理を捨て人情を選びます。ここからは圧倒的な武力行使が始まり、悪役は話せ
ば分かると命乞いをします。ここで怯んでは話が先に進みません。

企業内でも同じようなことが起こりそうです。会社で非常に理不尽な責めを上司から
受けたとしたら、健さんでなくてもサラリーマンネズミは猫に噛みつきたくなります
。上司の前に書類をたたきつけ、上司の机をひっくり返してみたいと一度は思ったこ
とのある人は「スイッチオン」といわれたら、100人中何人押すでしょうか。
神戸の親分が決めた会則は説得力があります。下出に出るとつけ上がる輩が多いので
、得意分野で圧倒的な優位性を周知徹底することは効果があります。格下の小僧が勘
違いしてつっかかってこないように「団結、報復、沈黙」を身に着けたいものです。

一方、法令順守の立場をとるとしたら、来春施行の「公益通報者保護法」があります
。不正の告発者の解雇・左遷を禁じる法律で証拠隠滅の恐れがあればマスコミに直接
通報しても告発者は保護されます。また公正取引委員会では独占禁止法が改正され来
年1月からは、談合やカルテルを最初に自首すると司法取引が認められるようになり
ます。武力行使をしない人でも、内部告発と司法取引で、真っ暗闇な世の中に光を灯
しやすくなりそうです。

関連記事

  1. トイレ
PAGE TOP