金言-194:天下大乱新佛出現

8月8日13時~13時45分に参議院で郵政民営化法案の採決が予定されています
。小泉首相は、否決の場合は衆議院を解散して国民の信任を問うとのことです。直前
までどこかの株屋さんは可決の可能性を70%といっていました。

与党の内部闘争は、衆院解散によって結果がでます。どうやら与党の立場を維持する
ために解散を避けるという緊急避難はなさそうです。この国の支配者層(政権担当者
)の内部闘争では、参加するのに命をかける必要はありません。先進国における社会
主義や共産主義革命の現実性はいまやほとんど存在しませんが、その成立過程では、
内部闘争は理論闘争ではなく生命をかけた権力闘争でした。

有名なのは、スターリンとトロツキーの覇権争いです。革命で手にした権力を反動勢
力から守るという名目で、スターリンは党内の対抗勢力を粛清しました。党員として
究極の選択を迫られる場面があります。内部闘争により、党が分裂すると革命が頓挫
してしまうという危機に直面したとき、トロツキーは党存続を選び、党派闘争を休止
しました。その結果、スターリンの覇権は延命。外圧による党崩壊の危機が去ると、
時の権力者は党内権力闘争を再開、ライバルを粛清しました。

党崩壊の危機に際して、内部闘争をやめ一致団結して難局を乗り切ったとしても、そ
もそも党崩壊の危機を招いた党執行部の構成を変えなければ、反執行部派はいずれ粛
清されてしまいます。我が国の党派闘争では生命は保障されていますので、どっちに
転んでも自殺さえしなければ、生き延びることができます。そういうわけで、民営化
法案に反対して、所属する党が与党の地位を失うことがあったとしても個人の政治生
命は守られています。

ビジネスの世界では、現職の会社の経営グループを否認する場合、同業他社に転職す
るか自ら会社を興すかして、市場で戦う選択肢があります。

民営化法案否決、衆院解散、選挙、政情不安という「大乱」が始まるかもしれません
。そうすると、「新佛出現」となり、新しいリーダーが登場します。賛成に賭けた党
員も反対に賭けた党員も、9月の選挙での得票の多寡で新佛を選ぶことが可能です。

◆あとがき
今週は郵政民営化の参院での採決が予定されています。これと首相の靖国参拝が、直
下型地震より確実に、この夏の首都を激しく揺り動かすことでしょう。
「天下大乱新佛出現」、「天下大乱新佛出現」。

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