金言-145:防衛本能

インフラ整備が開催までに間に合わないと心配されていたアテネ五輪が本日どうやら
無事閉幕となりそうです。突貫工事による競技施設、会場までのアクセス、宿泊施設
などの問題はニュースにならず、東京五輪を上回るメダルラッシュが1日中話題にな
っています。金メダルの数が、その他の不満を吹き飛ばしています。完璧に整備され
た環境で十分な訓練を積み上げて本番に臨み、結果がでなかった場合は、真剣勝負を
したこともない職業評論家の出番がまわってきます。成果を示すことが問題解決の王
道であることを再認識させてくれたのがアテネのイベントでした。「アテネで見てネ
」ということでした。

さて、本題です。女子マラソン世界最速の英国選手が36KM地点で途中棄権しまし
た。英国も同じかと想像しますが、途中棄権は歓迎されません。参加した以上は、最
後まで全うするべきだという美学が要求され、本人は意気地がないと評価されます。

途中棄権を戒めることを防衛本能という側面から考えると、納得する部分があります
。途中棄権は癖になり、苦痛や辛さをしのぐことを一度拒否した肉体の防衛本能は、
後日同様のストレスが生じたときに身体機能を自動的にシャットダウンしてしまうそ
うです。したがって、一度途中棄権をすると、たとえ一流のアスリートであっても潜
在意識が勝手に勝負をやめてしまう爆弾を抱えることになります。自爆テロリストは
自分で爆破のタイミングを知っているので心の準備ができますが、アスリートはまさ
にここ一番で、本人の意思に反して自爆してしまいます。故に「ネバーギブアップ」
は負け犬の強がりではなく、勝者必須の条件ということができます。勉強になりまし
た、アテネでメダルを獲得したアスリートのおかげです。

◆あとがき

夏休みがまもなく終わります。今年の海の家は、前年に比べ売上が35倍とニュース
に流れました。去年の夏の週末はいつも雨でした。今年は真夏日が連続40日を記録
しました。35倍は簡単な計算です、売上増は夏休み期間中の真夏日の差によるもの
です。
先週、横浜の八景島シーパラダイスに初めて行ってきました。新杉田発のシーサイド
ラインには、例によって大声で私語を交わしているご婦人が乗っていました。高校3
年のときに初めて八景島にいったということでした。顔を見て、八景島は創業20年
以上になっているかも知れないと思いました。やはり、潮風のためか施設は想像以上
に劣化しており、鉄骨の赤錆、ペンキのはげたベンチなどが目につきました。

最近、公衆電話ボックスが汚れています。マナーが悪くなったのではなく、利用者が
減り経費削減で清掃回数を減らしたためです。同じように、夏のレジャー施設も去年
売上が激減して施設の保守が十分にできなかったのかもしれません。しかし、新しい
アトラクションを追加して集客をはかる事業所は、集客したお客さまをペンキのはげ
たベンチに座らせてはいけません。

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