202006-277:余力のあるうちに

1987年8月

米ゲートウエイのアジア市場からの撤退に続き、米HPがコンパックを買収することで合意という発表がありました。
8月28日ゲートウエイのテッド・ウエイトCEOは「我々が勝ち残るには必ずしもグローバル企業になる必要がないと判断した」と語り、日本のパソコン市場から撤退する大手外資では初めての企業となりました。

いつか来た道で、90年代初め、長年世界一であったドイツ企業が、米国と日本のライバル企業の影響力がついにドイツ本国にまで及ぶにいたり、日本を含む海外子会社を縮小し経営資源を引き上げ、ベルリンだけは守ろうとしたことがありました。今では上場企業のこの会社の社史に記録されていない暗黒時代です。

本国でまだ優勢なマーケットシェアを残している企業だから引き上げるわけで、守るべき市場を持たない企業が、劣勢を挽回するには、新規事業分野/新規顧客開拓が事業の主要な柱となります。
アイスホッケーの試合で、残り時間が少なくなってきた劣勢のチームが、ゴールキーパーを引き上げ、フォワードを1名増やして逆転を狙う戦術と似ています。この場合、守りは手薄になりますので、攻撃の手を緩めたら傷口が更にひろがります。後ろを見たら誰もいないのですから。

アイスホッケーチームを持つ企業にいた頃は、シーズン中は何回も残業がつかない応援に業務の一環としていきました。そしてゴールキーパーを引き揚げた作戦ではあっけなく負けました。ゴールを守る者がいないので、敵陣からのパックがするするとオウンゴールという場面がありました。

それから、事業計画達成に関して、180度の転換を図る必要があるといった人がいたのですが、180度の転換は簡単です。
Just Do It を Just Not Do It で180度転換です。

余談ですが、ガッツさんはよく「右に左折」とか「360度回転」とかいいます。

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