202004-139:勤め人X

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秋田や山本やケルンパ風に表現すれば「連帯を求めて孤立を恐れず」、ドクターXなら「群れを嫌い」といったところです。この極めて属人的な美学で動く勤め人Xは、トレンドに乗り勢いをつけると、私企業では20%の従業員が全体の80%の利益に貢献するという世の中の定説の成功事例となります。しかしながら、生者必滅の理のごとく、いつか必ず低いが長くて厚い壁の前でファイナルアンサーを求められます。

自分なりの敗因を総括すると、トレンドが転換するときにリスクヘッジをしなかったこと、戦闘能力が低下したときにデッドボールでもいいから出塁するという勝ちに執着しなかったこと。有価証券取引でナンピン買いを続け塩漬けし強制ロスカットで退場するか、それとも3回続けて大振りして三振アウトを選ぶ、いずれも最後は玉砕で幕引きです。

閑話休題、M&Aで呑みこまれたIT会社に3人の幹部がいました。
Aは親会社から出向して転籍して役付き役員に昇進。この男は経営会議の内容を自分なりに選んで一部を部下に伝えます。都合の悪いことは部下には知らせません。部下もそれを知っていてこの男とそのもたらす情報を信用しません。

Bは東大卒のエリートで平取。気に入った仲間にはここだけの話をリアルタイムで流します。周囲は知りたい情報を手に入れる代わりに、知りたくない情報も詳細に即日知らされます。

Cはすべての部下に経営会議の内容を解説を加えて詳細に伝えます。上司との信頼の絆がある間は、部下は会社の動向をAよりも正しく理解できます。

会社はM&Aの前に東証二部上場をはたしました。M&Aで快適に生き残ったのはCとその派閥従業員でした。
勤め人Xは上場すると持ち株を換金してright stuff と合意して起業しました。

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