202002-50:支店長代理

バブル最盛期の頃、ドイツ本社の子会社を日本に設立し、親会社から購入したモノを日本市場で販売していました。この時、資本関係にある会社間の輸出入に関して第三者と同じ価格で輸入しても割安な取引価格として評価され関税が上乗せされました。当時の所轄は神戸税関で担当官からGATTの取り決めによると説明がありました。その追徴金を払っても利益は十分確保できました。輸入はLC決済していました。この原資を大手金融機関からの融資でまかないました。欧州の大企業の子会社と言うことで資本金1千万円ながら5億円の融資枠をいただき、ドル円のヘッジをしたりして為替でも利益がでました。この商流をサポートしてくれたのが支店長代理という肩書きをもったメインバンクの営業マンでした。親会社の確認書は紙切れだといっていましたが、無担保で3億円の融資をしてくれました。営業はみな支店長代理でした。制作会社のAEみたいなもので権限はなく、稟議をまわして焦げ付けば責任をとらされる役でした。融資決裁には「資産価値の上昇を勘案すれば不測の事態においても懸念なし」という定番のコメントがついていました。
思えば、支店長代理という肩書きもバブルでした。

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