201909-305:ルール#1:気が乗らないときは動かない

商いは納期厳守が鉄則で、守れないときの代償は減益です。
減益は良しとしても、信頼を失ったら終いです。
期限に間に合わなければ意味がない案件は問題外として、多少約束の納期に遅れても信頼性はなんとか維持できるとしたら、それはいい仕事をすることのような気がします。約束した期限を守れないときの言い訳ですが、薄利多売で商いを回しているときは、少しでも納期を前倒しして手離れをよくしてより多くの仕事をこなしていくとことで優位性を得ることができました。納期を短くすれば人件費が減り原価率が下がり、次の案件に着手できます。しかしながら、こういう仕事はストレスが溜まります。どこかで歯車が狂うと納期が遅れ、コストが嵩みその結果減収減益となります。勤め人をやっていれば、自然に習得する常識です。
この常識を知ってか知らずか、上司の信頼を得ることもなく、永年勤続の正社員ではありましたが、何人もの後輩に先を越されながら、注目を浴びずに定年まで勤めた先輩が2人いました。この2人の職種は違いましたが、定年前の本人が自主退職するまでの1年ほど、毎日2人で事業所の前の歩道でワゴンセールをやっていました。年功序列の会社ならとっくに管理職で定年後は子会社で契約社員になれたはずです。でも当人たちは納期とか信頼性とかに関心が薄く、周りが右向けば右、嵐がくれば同僚と一緒にじっと過ぎ去るのを待っているような勤怠でした。
ふと思うに、この人たちはやりたいことをやりたい時にやってきたのではないでしょうか。ストレスも周りの同僚と同じくらい貯め、赤提灯で愚痴をこぼし、週末は馬に投票し、大病もせず、お縄になることもなく、マイホームのローンは定年時には完済。きっとこんな筋書きです。
経営者としては、気が乗らないといい仕事をしない職人気質の勤め人も、清濁合わせ呑みの対象です。

関連記事

PAGE TOP