201907-929:計算高い人でしたから

したたかさ

連日、朝7時から夜11時まで働き、週末は移動日にあてほとんど休みを取らないという暮らしを10年以上続けていたことがありました。たまに仕事が途切れる日もありましたが、気分転換に何かした記憶がありません。
振り返ると、トップ集団でNO1を目指すのは現実的でないと身の程を知り始め、特定の領域で一番を狙っていたようです。いわゆるオンリーワンのポジションで、出番は多くはないけれど呼ばれたときにはきっちりと仕事をして存在感をアピールします。組織が存亡の危機でない限りリストラや異動のリストには掲載されないという消極的な効能があります。

ただし、学歴や容姿にコンプレックスをもつ上司の下では、生き残りが難しくなる場合があります。快適なパワーバランスが崩れるからです。このグループはオーバースペックな結果を求めません。目立たないこと、期待外れとレッテルを貼られないこと、要求された品質と納期を守り、クライアントと経営者のご機嫌を損ねないことに忘れることなく仕事をこなします。特定領域で一番というのは、その領域ではオーバースペックになりがちです、要求を超える品質には余計なコストがかかっていると思い、嫌います。

嫌われないのは、手離れがよく品質は要求水準の誤差の範囲内で仕上げるスタッフです。
最近、このような組織で期待され生き残ってきた人物が定年退職し、陶芸の道を選んだと風のうわさが届き驚きました。要求されたラインを決して超えることなくババ抜きのように与えられた仕事を流してきた人物が、クリエイティブな結果が求められる分野に踏み込みました。計算高い人でしたから、日常生活の維持費を年金で保障して、勤め人時代に出し惜しみ蓄えてきたクリエイティブな資産を100%自分のカネに換えようと考えているのにちがいありません。
やっぱりしたたか、恐れ入りました。きっといい作品が期限内にいくつもできあがると思います。

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