金言−443:「人のかね かりたほしても つかう世の中」

「人のかね かりたほしても つかう世の中」
人の金を借り、それを踏み倒してでも我が物のように使う者がいるものである。
いかに人を騙して利を得られるか・・・
そういう心が往行している現代だといいます。
「オレオレ詐欺」「結婚詐欺」・・・
数えればきりが無いぐらい一杯あります。
小牧清立師のブログ「心のものさし」の一節です。

1980年代、日本経済はバブルのピークで、企業は多角経営をすることが流行し
ました。餅は餅屋といいながら、餅屋がマンション経営など本業と無縁な事業に投
資していた頃の話です。

当時、日経新聞に記事が毎日掲載されていた企業集団がありました。内容は、業務
提携が主でした。そしていつも気になったのは、カリスマ経営者が資産家のお餅屋
さんから新規事業の資金を引き出すビジネスモデルでした。カリスマ経営者の企業
グループには資産がほとんどなく、かわりに巨額の負債がありました。小企業なら
自転車操業といわれるところですが、大企業なので積極経営と評価されました。

借金は資産だと従業員が口をそろえていうこの企業グループは、まさに、人の金を
踏み倒してでも湯水のごとくつかう集団でした。企業は多角経営、新規事業を立ち
上げることによって際限なく儲け続けられるというスキームが追い風になっていま
した。株式投資にたとえれば、株価上昇局面で買いに参加する投資家が途切れない
うちは、株価は上昇を続けます。

そして、クライマックスを迎えました。当然のごとく企業集団は解体され、主力企
業は米国企業の子会社になりました。

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