元旦にたてた年間計画のひとつに富士登山があります。これは、昨夏より始めたウォ
ーキングによる基礎体力の回復度を探るのがねらいですが、無謀な挑戦でもありまし
た。買い物は基本的に衝動買い、計画は思いつき(よくいえば、ひらめき)、意思決
定で背中を推すのは非論理的な自分の勘という過去の行動パターンを踏襲して、今回
、富士登山を実行しました。
翌日の天気予報が雨ではないという平日の午後(7月5日)、富士登山実行を思いつ
きました。その日は、早朝ポタリング(自転車で目的地を決めないで走ること)で目
標50KMを40KMで切り上げています。途中で疲労を感じたので無理をしません
でした。これは、楽観的に考えると体力温存となります。思いたったが吉日というこ
とで、年間計画のひとつに挑戦することにしました。当日夜10時から24時間でレ
ンタカーを借りました。
計画は、下記のとおりです。
夜10時に車を借り出し、自宅に戻って装備を積んで出発
深夜に河口湖口五合目駐車場に到着し、車内で仮眠
翌早朝5時に山頂をめざし出発
昼前に山頂到着
夕方までに五合目駐車場にもどる
夜10時までにレンタカーを返却
結果は、ほぼ予定どおり、帰宅は夜6時、レンタカー返却は7時ということが唯一の
前倒しでした。というのは、案内チラシなどに紹介されている登下山ルートの平均的
な所要時間をクリアできませんでした。歩く距離は20KM程度なので、平地なら日
頃のウォーキングで十分対応できるのですが、富士山はやさしくなかったです。
まず、気候です。5合目は夏日ですが、8合目から先は、手がかじかみ吐く息は白く
気温は2~3度のようでした。時折強風にあおられ、また、下からの砂煙で土埃にま
みれます。8合目までは、汗をかき、その後は寒さがやってきます。気圧が低くなり
ますので高山病に注意しなければいけません。
駐車場での仮眠はできませんでした。明るい場所で、ときどき人の気配がし、おまけ
に何年も車内で仮眠をとっていなかったので、仮眠を体が忘れていました。車内は冷
えてきて、寒さで目が覚めます。仮眠用に毛布を持ち込むことも忘れました。(10
0円ショップで買った「簡易防寒シート」やホカロンを持ってきたことも忘れていま
した。)夜明け前に、おにぎりを2個食べ、ペットボトルを2本ザックにいれて出発
しました。
登り5時間半、下り3時間45分が平均的な所要時間と紹介されています。
これには休憩が含まれていないので、この時間を達成するには、休憩時間を稼ぐため
に平均より歩く時間を短縮する必要があります。結果は登りに6時間、下りに4時間
15分となりました。
学習したことは次のとおりです。
日帰りをするには、現地で仮眠するよりは、自宅で仮眠して夜明け前に出発するほう
が懸命だということがわかりました。
それから、当日は幸運にも時折日が差し風もほとんどないという登山日和でしたが、
足場の悪い場所がいくつかありますので、雨の日はやめたほうがいいと思いました。
一番思い知らされたのは、標準的とか平均的とかいう数値は自分にとっては達成する
にはハードルが高くなっているという意外な事実でした。いままでは、平均値は自分
にとっては、下振れしても余裕でクリアする値でしたが、いまでは、がんばらないと
到達しない剣が峰に変わっています。
明らかに自分より年配の人たちが元気よく先に登っていき追いつけないということ、
また、たくさん目にした太った欧米人が自分より先に山頂から折り返していること、
高山病で苦しんでいる人があまりいないことなどから、スポーツの現場は元気で健康
を楽しんでいる人が集まっているということが、よくわかりました。
運動不足や肥満は、精神的健康も損なうことになります。それを予防し、是正するこ
とは、食事制限ではなくて、適度な運動を継続することであることが、ウォーキング
や自転車でポタリングを楽しみはじめて、わかってきました。ずいぶん遠回りをした
ものです。