1)こだわり
小さいことに執着して融通のきかないことを、「こだわる」といいます。ネガティブ
な言葉です。「シェフのこだわりの一品」などは、適切な表現ではないようです。
まっ、そういう他人の言葉の誤用に気をとられることも、こだわりのひとつなので、
年が改まったことですから、こだわらないようにしたいと考えます。
2)脇役
しがない勤め人稼業が長い人生では、思わぬ主役のオファーがくると躊躇してしまい
ます。主役はやったことがないというだけのことなので、失うものなどそれほどない
のですが、その先に何か底知れぬリスクがありそうで不安になります。一方、脇役は
、こればかりやっていたので安心で居心地がいいのです。時々、主役の無責任な行為
によって生じた損害の責任を負わされることはあります。
3)ブラックボックス
脇役は、いつもだれかのために、「納期厳守、品質向上」とかいうサポートサービス
を提供して暮らしてきました。与えられた業務を要求されたレベル以上でこなすこと
ができるということが、「脇役のこだわり」のひとつです。しかしながら、主役が交
代すると不要になる脇役もいます。個性の強いこだわる脇役には、常に出番がまわっ
てくるとは限りません。主役は感覚的に自分をサポートするスタッフをキャスティン
グします。こだわるような人は使いにくいし、自分のパフォーマンスに脇役のブラッ
クボックスをいくつも抱えたくないはずです。
4)第二幕
脇役で定年になっても、嘱託や契約で半値以下なら脇役サービスを買ってもらえるか
もしれません。これならリスクがないと勘違いして、次のステージでの今までどおり
とは異なる役を辞退してしまいます。
現実では、指揮命令系統とは無縁の場所で暮らしているのにもかかわらず、あいかわ
らず夢のなかでは、様々な職場の上司がランダムに登場し、指示をしたり報告をもと
めたりしてきます。脇役で長年かけてこしらえたブラックボックスの中身を、事業の
継承とかいう理屈で公開するのは、もったいないです。第二幕は、ブラックボックス
保有者宣言をして、脇役は遠慮したいものです。
東アジアの半島では、核保有国宣言をして大国とため口をきこうとしている人がいま
すが、これとは別の話です。
◆あとがき
本年最初の3連休初日は低気圧が台風並みに発達して、雨でした。雪が少なかったス
キー場は大雪といいます。今年の夏は温暖化とエルニーニョで猛暑らしいです。
お天気次第の商売と無縁の昨今、ウォーキングやサイクリングの都合で毎日の天気が
気になります。