金言-82:次回完結

1)オーナー:映画製作会社

2)エンディング:「次回完結」To be continued.

六本木で話題を提供した米国映画のロードショーが今上映中です。この映画は続編で、情報技術用語が散乱し、何となく近未来のストーリーになっています。

初日は終日、映画館の前に行列が絶えなかったという大盛況で、マスコミ、TVのワイドショーでも取り上げられて盛りあがっています。

長編で、2回ほど睡魔が襲ってきましたが、2時間近くたったところで、突然エンディングとなり「次回完結」という文字が飛び込んできました。この先ストーリーがどうなるのだろうかと思った瞬間でした。やられたというのが、感想です、新鮮な感じもしました。上映が終わって外に出て行く人たちの顔が何となく、消化不良のように見えました。

3)意外性

一話完結のサザエさんや水戸黄門を見慣れていると、いいところで次回に続くとやられると、意外な感じがします。ある時間になるとお決まりのシーンが登場するので、安心して見ていられるのが娯楽のひとつなのです。

TVのワイドショーのタレントも今回の映画の観客動員に貢献しています。続編があるかも知れないという期待をおこさせることなく、ストーリーを消化不良に展開した挙句、突然「次回のお楽しみ」に振られてしまいました。次につなげる古典的なマーケティング手法です。ワイドショーのタレントや司会者は、「続く」などと誰もいいません、本当に見たのかなとも思いましたが、コラボレーションビジネスということで、一体となってプロモーションをしたわけです。みんなで盛りあげてくれました。

マスコミにあおられて何となく映画館にいった消費者としては、次も買わされるのかと感じました。そして、今度はだまされたくないとも思いましたが、いずれにしろ、工夫をこらした上手なプロモーションに誘われて次回も映画館に並んでしまうことでしょう。気持ちよくだましてくれるなら、入場料は喜んで払いますよ。

◆あとがき

質問:

韓国国会議事堂内の漢字表記について

先週、韓国国会議事堂を見学しました。漢字をやめてハングルに統一しているはずが、議事堂内に漢字が目立ちました。まず、議場内の議員氏名の席札が漢字です。中央ひな壇の議長席も「議長」となっており、ロビーにある会議上の表示も漢字でした。町のなかはハングル一色なのに、議員の氏名は漢字で表示しています。理由は何?

北朝鮮が1948年以降漢字廃止を決定し、また南でも1970年以降漢字廃止の方向に進んでいるとのこと。まだ完全に廃止ではないようで、少しは残っているのでしょうか?

読者の方からの回答をご紹介いたします。

答1:

韓国在住しています。

理由のひとつは、ハングル表記だと、同姓同名が多い、ということがあるんじゃないかと思います。韓国は、苗字の数も少なく、漢字の読み方が一通りしかないため、あちこちに同姓同名がいて、電話帳を調べるときなども、非常にややこしいです。あと、ハングルは簡単ですが、漢字はある程度教養のある人しか使えない(漢字教育は中学生以上)ため、漢字を使える、イコールインテリというイメージがあります。

漢字をやめよう、というのは、漢字が外国から入ってきたものであり、韓国独自のハングルがあるんだからそれを使おう、という理由からなんですが、実際には、漢字を知っていると熟語の意味が把握しやすい、中国故事などを理解しやすいので、国語の成績にいい影響を与える、などの理由で、子どもに漢字の塾などに通わせて、漢字教育に熱心な人も大変多いです。

答2:

私の印象では、地下鉄の駅名表示や町の地名表示など、むしろ漢字を使う方向に進んでいると思います。日本や中国から観光客を呼びたいという思惑もあると思います。

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