金言−372:「100年に1度」の次ぎは、何と表現するだろう

新しい年がおだやかな晴天で始まりました(雪国では違うでしょうが)。
昨年末は、100年に1度という深刻な実体経済の下で、先行き不透明感をメディ
アは繰り返し伝えていました。年が明けると、メディアに露出する人たちが入れ替
わりました。正月4日までは、せめて明るく笑って過ごそうということで、お笑い
芸人の稼ぎ時になっています。

年末に顔を出したN証券会社のセミナーでは、参加者の一人が日経平均12000
円のときに買った株をどうしたらいいかと相談していました。買った値より下げて
も株は売らない限り損にはならないし、いずれ値を戻すだろうと思ってじっと我慢
して塩漬けしているでしょう。100年に1度の暴落なら、これからの100年で
逆に100年に1度の暴騰が必ずあるに違いありません。恒例の芸能人かくし芸大
会の録画風景みたいなものです。難度の高い技を選択し、成功するまで何回でも繰
り返すので、必ず成功します。雨乞いの祈祷と同じです、祈祷師は雨が降るまで諦
めません。したがって、雨乞いの祈祷によって必ず雨が降ります。塩漬けは、暴落
した株を買値近くに再上昇するまで保有する投資スタイルです。100年も待てば
と不確かな戻りを期待し続けます。しかし、100年待てない企業の株価は、倒産
やM&Aなどによって株価が戻る前に強制的に時価で手仕舞いとなるリスクが増加
してきました。

年末、日経平均株価は上昇を続けました。しかし、実体経済の指標は悪化し、株価
と同期していません。楽観的な株屋さんは、悪材料織り込み済みとコメントします
。今は景気回復期待で株価が上昇しているので実際に景気が良くなっているわけで
は決してありません。業績悪化が本格的に相場に織り込まれるのはこれからだとい
う株屋さんもいます。

下げれば上がり、上がれば下げるという相場ですが、毎回同じように上下すること
はなさそうです。米国自動車産業は不滅でしょうが、個別の自動車会社が不滅とい
うわけではありません。100年に1度という表現も、最初の下落局面では年初来
安値、その次は10年、20年、50年と都度上書きされて、現在の100年にな
りました。これから、オバマ人気が一段落してオバマ大統領が救世主ではなかった
と市場が判断すると、100年の1度のタイトルが書き換えられるかもしれません
。これは織り込み済みではありませんので、ひと波乱あるかもしれません。
「天下大乱 新佛出現」です。

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