金言−363:小僧のひとこと

新聞の片隅に掲載されていた小さな記事を、現在の経済情勢が転換する兆しと読み
その勘働きに基づいて実行したことが奏功したという話を聞きました。

だいぶ前のことになりますが、テレビの人気クイズ番組で、高額の賞金がかかった
場面で、ファイナルアンサーに確信がもてないときに挑戦者が迷う場面をよく見ま
した。そういう場面で見事に賞金を獲得した人物で記憶に残っているのは、年配の
裕福な女占い師とホリエモンでした。占い師は、正解を知っている出題者の表情か
ら結論を出しました。ホリエモンは、論理的に推論してみごとな結果をだしました
。当時、二人とも運気絶頂でしたので、何をやっても幸運がついてまわったわけで
、まことにあやかりたい人物でした。

このような良運に恵まれている人の発する一言には聴く価値があると思います。聴
く人がその運にあやかりたいとポジティブに行動するからです。一方、意思決定場
面で、ふと耳にした雑音に惑わされてしまうことがあります。雑音を参考にした意
思決定で、良い結果が出る確率は非常に低いと知りながら、影響を受けてしまいま
す。まことに情けないことです。

相当の時間をかけてだした結論なのですが、いざ実行する直前に聞こえた「小僧の
ひとこと」に方向性がぶれてしまいます。試験問題でも迷ったときは最初にだした
答えが正解であることが多いといわれています。着手直前に迷った案件は成功率が
低いようです。それがわかっているのに、迷いが断ち切れません。

多くの成功パターンでは、高度に精神集中ができているためでしょうか、周りの雑
音は聞こえてきません。自信が持てない意思表示の場合(失敗例で見られるパター
ン)では、気持ちが消極的になっていて精神集中も半端で、まわりの雑音が気にな
ってしまいます。実は、背中を押してくれる一言ではなく、逃げ出すための一言を
無意識のうちに探しているわけです。

そこで、学びました。「小僧のひとこと」が気になった場合は、退くことです。意
思決定過程に無関係の他人のひとことに意思表示の段階で影響を受けるということ
は、ネガティブな意識状態と考えます。勝負する前に負けています。何か違和感が
あるとき、直前に迷うとき、そういう時は意思決定を変更するよりは、見送ること
にします。見送りは儲けそこなうリスクがありますが、実体経済が下落トレンドに
あるときは、何かをすれば損をする確立が高いからです。

右肩上がりのバブル期では、暴騰する経済環境に助けられて何をしても利益がでま
した。今は右肩下がりですから、じっとしていると資産が目減りする恐れがありま
すので、資産価値を維持するために何かをすることが求められます。そこで、「儲
け損なうより損をしないこと」という一言が聞こえてきます。これも「小僧の一言
」かもしれません。

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