202205-191:情報通、コメント屋、占い師

大学や学生の内部情報の噂話に詳しい同級生がいました。
この人とは新学期が始まる2週間ほど前にキャンパス敷地内にある学生寮で知り合いました。入学式前にもかかわらず、この人は学内の動向や先輩たちのゴシップなどを教えてくれました。情報の真偽はともかく、なぜこの人は知っているのだろうと不思議に思いました。

4年間、この人の情報発信は続きました。そもそも噂話です。当時流行っていた「養老乃瀧」や「村さ来」での酒肴には十分でした。少し関心がある話題について、誰から聞いたとか本当なのとかさらに聞き出そうとするとこの人は、するりとかわします。噂話に限定し、あたりさわりのないレベルにとどめておくという手口でした。

なぜこの人に情報が集まったか不明ですが、振り返れば、公開する情報は「ミッションクリティカル」な領域には踏み込まない内容に限定していたようです。したがって聞く人は自己責任で意思決定しなければならないような局面を迎えることなく気軽に学内インサイダー情報を楽しむことができました。
思うに、相手が今日にある話を小出しにして相手がもっている情報を引き出し、それを彼の得意とする分析や憶測で物語を作っていたのでしょう。彼の人徳かと思いますが、噂話の対象になった本人から恨まれることなく、社会人になっても職場の情報通として無視されないポジションを維持したはずです。卒業して最初の職場は百貨店のマーケティング部でした。
昨今のトークショーで活躍する芸能界のコメント屋さんたちの大先輩にあたります。
勝手ながら、株と為替や天気の専門家は占い師に分類します。

関連記事

  1. 返品
PAGE TOP