金言-259:タバコのけむり

全面禁煙の流れ
11月16日、ハワイで新禁煙法が施行にあり、ショッピングセンターやレストラン
が禁煙になります。香港は来年1月、フランスは2月、英国で来夏というように、世
界の観光地、公共施設や飲食店で禁煙エリアが広がります。

タバコの害を警告するWHO通達軽視
2001年に世界保健機構はタバコに含まれる添加物の危険性を告知するよう通達を
発しましたが、日本ではタバコの添加物に関する規制や表示の義務はないそうです。
ニコチンとタールの量規制はありますが、それ以外は合法ということです。タバコ関
連の税収入を取り扱う官庁と監督規制する官庁が同じです。タバコ産業の健全な発展
をはかるため、所管の官庁が、健康被害の原因のひとつとされているタバコ産業を保
護しています。

経営者の嫌煙
オーナー経営者は従業員の喫煙を嫌います。従業員は、喫煙しているときは仕事をし
ていないと推定されます。休憩時間以外で、仕事をしていない時間にも給料をはらわ
なければならないので、経営者は喫煙を嫌います。会社の施設内で従業員が喫煙する
と、ヤニで壁がよごれ、テーブルは灰がちらかり、喫煙で病気になれば医療費負担が
増え、タバコの火の不始末は火事のもとになります。従業員が喫煙することは、事業
にとってはネガティブです。

禁煙企業で喫煙する従業員
喫煙者は雇用しないと経営者が発表した会社でも、喫煙常習者の数は減りません。公
務員が飲酒運転する件数が減らないのと類似点がありそうです。公務員は身分が私企
業より保護されている部分がありますし、成果主義はそれほどインパクトがないので
、刑事事件に巻き込まれない限り暮らしていけます。私企業は、公務員ほど気楽な稼
業ではないので、上司のパワーハラスメントにさらされ、降格減給左遷解雇が日常的
に行われていて、身分は不安定です。それでも、会社が吸うな、飲むなといっている
のに、いうことを聞きません。下命に下が従わないのは、命令違反が怖くないからで
す。命令違反が怖くないということは、正義と秩序が軽視される原因があるのです。

事例紹介
今では消滅したように見える元オーナー会社では、本社の幹部がオーナーに隠れて喫
煙していました。就業時間中に本社敷地の外へでて喫煙したり、来客時に会議室でお
客さまと一緒に喫煙したりしていました。喫煙する業者の担当者は本社内に入れるな
とオーナーが口にしたにもかかわらず、一部の幹部は喫煙を常習としていました。こ
の会社でオーナーの命令に逆らう人には共通点がありました。この人たちは、どこか
、先代創業者の面影があるのです。命令違反しても当然特赦がありそうで、創業者と
血縁関係があると酒席では、ここだけの話しとして、ささやかれます。信義誠実の原
則は、「いわなくても、わかるだろう」と、門前払いとなります。血縁者以外にも特
権を持った従業員がいました。従業員の配偶者や親族が、オーナーと非常に近い関係
にある場合です。この人たちは、目には見えない「ご老公様の印籠」をちらつかせる
ことができました。

変化の兆し
奈良県の公務員が、数年間にわたり病気を理由に欠勤しながら給料をもらっていまし
た。世論の追求が厳しく、とうとう、奈良時代の負い目をのりこえて、当事者を処分
し、同和問題に触れました。いままで、ヤクザより怖い存在であり、タブーであった
ことがらが明らかになりました。タブーがタブーでなくなったとき、その既得権を享
受していた人たちの影響力は消滅します。

流れがかわると、先の者が後になり、後の者が先になります。
天下大乱、新仏出現。改革の流れが新しい秩序を形成していきます。

◆あとがき

先日、レンタカーを借り出したとき、コンパクトな支店に喫煙者が入ってきました。
コンテナ程度の建物なので、すぐに煙が気になりました。灰皿が備えてありましたの
で、喫煙者は喫煙を続けました。後日、レンタカー会社に、健康促進法とか従業員の
受動喫煙とかに対する対応をメールで質問しました。すると、翌日、レンタル営業推
進部 店舗室長さんから丁寧な返事がありました。最高益を更新するトヨタです。子
会社でも即対応するような小回りはきかないようで、少し時間の猶予をほしいといっ
ていました。

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